はしか:”現状は世界の恥” : 日本の世相・メディアによる健康被害の実例

今朝の放送は評価できる。辛坊はやればできる子のようだ。
メディアとしてはあれが限度なのだろう。
“ワクチン接種”として、糞も味噌も同じように批判し、その感情的うねりで、強制的予防接種が中止に・・・

【反ワクチン・・・誤った共通概念】(再掲)
1 消毒や衛生環境の整備で、ワクチン以前に感染症は既に無くなっていた
2 病気になった人の多くはワクチンを受けていた
3 他のワクチンより多くの副作用や死亡事例が関連している“ホット”なワクチンロットが存在する。
4 ワクチンは多くの重篤な副作用、症状、死亡例さえある
5 ワクチンで予防できる疾患はすでに我が国からは消滅している
6 小児に複数の疾患に対するワクチン接種をすると副作用のリスクが増加し、免疫系に負担を多くかける

反ワクチン運動先進国で、麻疹輸出国・・






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放送内容抜粋:
”ゴールデンウィーク明けが危ない”
”現状は世界の恥”
“日本は年間患者2万人”
“アメリカでは年間患者200人 ほとんどが日中からの流入患者”
“ゆとり世代は要注意!”(ゆとり世代は教育だけでなく、ワクチンもまともに受けさせてもらえなかった)


少々不正確な情報がある・・・それは現在の麻疹数・・・
感染症発生動向調査によれば、過去10 年間には年間約1~3万人の麻しん患者が報告されてきましたが、平成15 年は8,285 件、平成16 年は1,554 件(暫定値)と、麻しん患者報告数は減少傾向にあります。

麻しん及び風しん定期予防接種の2回接種の導入についての見解から



Why is measles still endemic in Japan?(LaThe Lancet 2004; 364:328-329)という論評がこの予防接種見直しの転機だったことを考えれば、日本は自国内では誤りを修正できない変な国なのだということをあらためて感じてしまう。


「“ワクチンの有害製品はごく一部だったのに、ワクチンすべてが悪いように”報道した時代背景があった」ことをメディア側が認めたのを初めて聞いたのだ!・・・えらいぞ!辛坊


以下を強調していた・・・
・一度かかると終生免疫獲得
・ワクチン2回でほぼ免疫獲得



メディアの報道に簡単にかく乱される、日本の麻疹ワクチン行政の特異性により、世界中で後ろ指を指される国になったことは確かである。メディアがアホなのは修正不能と言うことはわかっているがせめて行政にしっかりしてもらいたいのだが、いまの、経団連・財務省御用達“生む器械”大臣ではなぁ・・

以上のようなメディアによる健康被害が、感情的タミフル“脳症”報道に、全く生かされてないのが気になるが・・・


【追加】5月14日(月)のフジテレビ系“めざましテレビ”で、現在の麻疹流行の原因は、麻疹がはやらかったからという理由づけを中心に説明した。
それなら、なぜ先進諸国ではほぼ撲滅できたのか?・・・その理由にはなるまい
患者がいないから抗体が少なくなったという考えはあるのだろうが、結局、ワクチン接種が十分でなかった以外の根拠は極めて乏しいと思われる。素人考えをその場でつくったのだろうか?
日本のメディアのワクチン嫌い、というか、反ワクチン運動というのは一種異様である。公害などで築き上げられた手法、行政・企業・関連団体をひとくくりに“悪”と決めつけ、それに対する善の““庶民”、その代表として、馬鹿メディア=“水戸黄門”が一肌脱ぐというワンパターンの底の浅い勧善懲悪主義が結果的に悲劇を作っていると私は以前から考えている。

くそメディアはどこまでもアンチ・ワクチン運動に肩をもち、その片棒をかつぐのだろうか?

現在の麻疹の流行に関して、日本のほとんどのメディアはその原因のいったんどころか、主因であると私は思っている。なんせ、あの時代は、ワクチン=製薬会社・医者のもうけ&政府のねつ造などと発言する連中がなぜか識者扱いだったのだ。(いまでもそう扱ってる馬鹿番組があるようだが・・・・・)




【追加】韓国に先をこされた・・・日本

日本の情けない現状は、アンチワクチングループ&マスゴミのワクチン撲滅成果&政府と厚労省の弱腰の結果ですな: 計画策定前は7―9歳のワクチン接種率は39%しかなかった理由

韓国、はしか流行ゼロ達成 日本は先越される

日医白クマ通信 デイリーニュース 2007/05/18

 日本では大学などで集団発生が続いている麻疹(ましん)=はしか=の国内流行をゼロに抑える「排除」に韓国が成功し、18日までに世界保健機関(WHO)の刊行物などを通じ国際的に発表された。

 WHOアジア太平洋地域の発展途上国では初めてとみられ、日本は先を越された。国内の専門家は「かつては共通の悩みだったのに、政府が本気で取り組んだ韓国にあっという間に追い抜かれた」と驚き、対策強化が必要だと訴えている。

 はしかを起こす麻疹ウイルスは極めてうつりやすく、免疫がない子どもはほぼ100%感染する。世界で毎年2000万人以上がはしかを発病し、死者は2005年だけで推定約34万5000人。その大半が発展途上国の子どもだ。流行を断ち切るには、子どものワクチン接種率を95%以上にするのが有効とされている。

 韓国では2000―01年にかけ、約5万5000人が発病する大流行が発生、7人が死亡した。韓国政府はそれを機に、5年で流行をゼロにする国家計画を策定。予防効果を確実にするため、小学校入学前に2回のワクチン接種を終えることや、患者を全例把握し流行監視を強化することなどを柱に対策に取り組んだ。

 計画策定前は7―9歳のワクチン接種率は39%しかなかったが、02―05年には、2回接種を終えた子が対象年齢の95%を超えた。海外からの「輸入」で患者発生は続いたものの、患者数も人口100万人に対し1人未満をキープ。06年11月に内外の専門家を集めて検討したところ「国内流行はゼロと認められる」との結論になった。

 対する日本。06年からワクチンの2回接種が導入されたが、国内で患者の全数を把握する仕組みは整っておらず、定点医療機関から国への報告のみ。かつて80%程度に低迷していた2歳時点のワクチン接種率は、05年度にようやく90%程度に達したところだ。

 このため、患者は国内で年間数1000人以上発生するとみられており、死者も毎年数人報告される。今年の流行は埼玉や東京など関東から全国に広がりつつあり、10―20代の患者が目立つ。ワクチン未接種者だけでなく、幼児期のワクチンの効果が徐々に落ちてしまった人も発症しているとみられ、6月ごろにかけ患者はさらに増えそうだ。

 韓国の成功の秘密について、小児科医で国際的なはしか対策にも詳しい岡部信彦(おかべ・のぶひこ)国立感染症研究所感染症情報センター長は「政府が麻疹対策に人員と予算を振り分け『韓国は実行する』と内外に宣言し、対策の進展もオープンにしたことが大きい」と分析。その上で「日本でも患者数を全数把握し、排除を達成する委員会を国が発足させ、中長期の計画を明示すべきだ」と指摘している。




H19.5.23追記

冒頭に辛坊をほめたが・・・・やっぱりあいつはだめだった

なんせ、今朝の番組で、「こうなったのも厚労省が全部悪い」と言い放ちやがった


そして、冒頭に、麻疹ワクチンに対する一医療機関に対する批判をおこない、メディア全体が犯したアンチワクチングループ幇助はほおっかぶり!


きっっと、なんらかの圧力がかかったか?趣旨替えのようである・・・・アホ辛坊


メディアとアンチワクチングループのつながりは相当根深いものがあるようだ





【意味不明な専門回の意見】(H19.5.28)
はしかの流行はなぜ? 3集団そろったと専門家 記事:共同通信社 提供:共同通信社

【2007年5月23日】

 15歳以上のはしかの患者報告数が2001年の規模に近づいた今回の流行。その原因について専門家は「3つの集団」がそろったためだ、とみる。

 その集団の1つは、はしかにかかったことも、ワクチンを接種したこともない人たち。はしかのウイルスは強い感染力を持つが、一度かかって症状が出ると、通常は免疫がついて二度と発症することはない。

 次に「ワクチンを打っても免疫がつかなかった人たち」の集団がある。ワクチンを接種しても数%は免疫がつかないことがあるという。

 だが「これだけでは今回のような大きな流行にはつながらない」と話すのは国立感染症研究所の安井良則(やすい・よしのり)主任研究官。

 安井さんは、2集団に加え「ワクチンを接種した後、免疫が減衰している人」が加わったため大流行になったとみる。

 最近では過去に比べて大規模なはしかの流行は少なくなった。ワクチンを打った人は、ウイルスに接触すると免疫が増強されるが、接触の機会が少なくなったため、ワクチンを1回打った人でも、免疫が減衰してしまった人がいるという。

 はしかの発生を減らすためにはワクチンの2回接種が必須だが、日本はようやく昨年から始まったばかり。1回だけの人にもう一度打つような対策も必要で、日本のはしか対策の遅れが今回の流行を招いたとも言えそうだ。


短文なのではしょられているのかもしれないが、集団免疫が最も重要な意味をもっていることは事実であるだろうし、2回接種推奨を強調していることもそれを是認しているのだろう。
にもかかわらず、なぜあえて、ワクチン接種率低下世代に限定的に流行していることを強調しないのだろう?反ワクチン運動への影響を懸念しのミスリードなのか?

専門家なら、ワクチンの集団接種率低下による免疫力低下と考える科学的根拠を提示していただきたい。

by internalmedicine | 2007-05-09 08:19 | 感染症  

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