大腸癌個別化治療への布石:COX-2発現と大腸癌リスク、アスピリン使用で抑制
2007年 05月 24日
New Engl J Med Volume 356:2131-2142 May 24, 2007
82,911名の女性、47,363名の男性の2,446,431 人年フォローアップ
636の大腸癌発生
423(67%)がCOX-2強度~中等度発現
アスピリン使用は有意にCOX-2発現に相関 (P for heterogeneity=0.02)
常時アスピリン使用は有意にCOX-2過剰発現大腸癌リスク減少(multivariate relative risk, 0.64; 95% confidence interval [CI], 0.52 to 0.78)
COX2弱・無発現の腫瘍ではその影響なし(multivariate relative risk, 0.96; 95% CI, 0.73 to 1.26)
年齢標準化癌発生率は
COX-2過剰発現+アスピリン常時使用32/10万人年
COX-2箇条発現+アスピリン使用無し:56/10万人年
COX-2弱・無発現+アスピリン常時使用:27/10万人年
COX-2弱・無発現+アスピリン使用無し:28/10万人年
結論としては、比較的明瞭で、COX-2過剰発現の時は大腸癌リスク増加し、アスピリン使用でかなりの程度、そのリスクが抑制できるということ。
血中診断程度で高リスク群を選別することができたら、その人たちはアスピリン使用?
・・・24/10万人年の大腸癌を減らすとなるとどの程度のインパクトになるのだろうか?
このChanらの研究は大腸癌に関連した高尤度群を選別しうるもので、“個別化医療”へのアプローチが期待できるというEditorialの記載があった。
β-catenin transcriptiona activity、EGF-R、IP3K/AKTと関係
by internalmedicine | 2007-05-24 11:40 | 医療一般