difficult patient

医療専門家たちのサイト(MDLinx)で最も読まれているウェブ記事らしい・・・

Difficult Pantienの問題は、日に日に深刻になるという実感がある。残念ながら、メディアなどは医者がすべて悪い・・・だから、はなから話にならないのだが、医療専門家でも日本の場合は医者の態度が悪いから・・・って、自制的なものばかり・・・

非難をあびることだけをおそれていたも仕方がないと思うのだが・・・・



そして、このもんだいは、アメリカでも関心有る事項であることはたしかである。


How to Manage Difficult Patient Encounters
These strategies will help you turn problematic encounters into productive ones.
http://www.aafp.org/fpm/20070600/30howt.html

【定義】
“perceived as difficult by clinicians”で、あくまで、医師の主観に基づくもの

“physician-experienced difficulty”のなかに、医師の特性が関係することも示唆されている。ただ、“difficult patient"というtermはその存在の正当性が認められ、直感的にも理解できるものである((Ann Int Med 1 May 2001 (134) 9 part2 p897-904)。


ただ、すべての“difficult”事例が患者サイドに非があるわけではなく、医師のケアに対する態度、疲労、ストレス、burnoutという医師側要因がこの自体を引き起こす要因にもなっていることがあるので注意すること。


【測定項目】

(Ann Int Med 1 May 2001 (134) 9 part2 p897-904)

1)本日この患者の診察を終えて、この患者に対して、次回診療をどの程度望みますか?
2)この患者に対してどの程度、“frustrating”(いらだたしさを感じ)ましたか?
3)この患者をどの程度コントロールできますか?
4)この患者の曖昧な訴えに対して、どの程度いらだちますか?
5)この患者はどの程度自滅型ですか?
6)この患者が二度と来ないで欲しいと秘密裏に希望する自分を自覚しますか?
7)この患者と本日一緒にいるということを心配なく想像できますか?
8)この患者をケアするのにどの程度時間を要しますか?
9)この患者をケアするのに自分をどれだけ励まさなければなりませんか?
10)この患者とのコミュニケーションはどの程度困難ですか?

Physician's Belief Scale and physician perception of encounter difficulty (Difficult Doctor-Patient Relationship Questionnaire:DDPRQ)
(Arch Intern Med. 1999;159:1069-1075.)


【概要】
医者が“difficult”と感じた患者・医者関係は15%

こういう患者は、以前から、"hateful"、 "heartsink"、 "problem"、 "difficult" とlabelされていた。(日本語では、“いやな患者”、“落ち込む患者”、“問題患者”、“難しい患者”か?)



【患者側特性】
うつ、不安という病態を有し、より身体化症状の強いもの、より症状重症度をうったえる事例に多い

3つの患者属性が関連していることが判明した。
・psychopathologic disorder
difficult patients内でこの疾患の有無 67% vs. 35%


・abrasive personality style or 病的人格障害
difficult patientsの90%

・多くの身体症状を有する


3つの特性と逆に医師経験difficulty、人口動態的特性、患者の病態なども強く相関がある。


AFPでの分析:
・ Angry, defensive, frightened or resistant patients:
げんこつを握る、眉間の皺、呼吸パターン、他のスタッフが異様な雰囲気を察知することなどが患者の鑑別に役立つ。医学的な問題に関する彼・彼女らの感情の変化に注意すること。"difficulty”の原因を突き止める努力をする。対立という立場に巻き込まれないようにすること。医者自身の境界とトリガーをはっきりさせることで、この状況で自信の反応をmodulateすることが可能となり、患者に共感を覚える状況を作ることができるかもしれない。“あなたの感じる状況を理解できる”といといった思慮を含めて述べることで、状況打開があるかもしれない・・・

・ Manipulative patients:巧妙な患者
他の人を引き込んだり、脅迫的な激怒、訴訟、自殺といった組み合わせでplayする。欲するがままの衝動行動を生じ、人格障害などと鑑別困難となる。治療者側の感情に気づいて患者の期待に沿うように理解をさせようとし、時には断固として“No!”と言わざる得ないこともある。

・ Somatizing patients:身体化
慢性経過を持つ、多くの漠然とした、大げさな訴えで、しばしば不安症、うつ、人格障害を併発する。doctor-shoppedや多くの診断遍歴をもつ。生産的な診療のための鍵は、思いやりと定期的診療の強化であり、それが関心事への和らげになるということ。合併している精神状況も治療すること。類似した事例で治療効果があったことなどを告げること。見逃しがないという安心感を与え、心地よくない検査・高価な検査を明らかに必要でないなら避けること(注. それができるなら苦労しない!)

・ Grieving patients:悲嘆患者
通常の悲嘆反応や文化的な内容を理解する必要がある。うつや不適合行動の兆候を探し、情緒的経験を評価し、多くの人たちが通るプロセスであることを理解してもらう。薬物に頼らず、会話をオープンにして、ライフスタイルへの警告を与える

・ "Frequent fliers":
分厚いカルテとなり、多くは孤独もしくは依存的、過度のおそれを有し、真に欲する答えを求め質問を繰り返す。合理的質問でありその量が多く、煩わされる、誤った情報を単に有しているだけかもしれない


【医師側要因】
・ Angry or defensive physician
バーンアウトした医師、ストレス下、近接の危機的状況や長期的状況にフラストレーションを感じている医師は特に患者に対してnegativeに接してしまう。自分のトリガーを認識し、自分の荷物は自分で始末する
・ Fatigued or harried physicians
多くの医師は過労状態、睡眠をとれず、多忙である。"Over commitment”(過度に肩入れ)することが非常に多く、これは高度の職業者として共通する減少である。医師自身の疲労は医療過誤や患者の安全性に対して影響をあたえることに過敏でなければならない。外交上のおべっかはやめて、他の人へ適切にバトンタッチして、適切な労働環境を求めることが重要。

・ Dogmatic or arrogant physicians
個人的な信念や価値観、医療に関する信念や価値観を自信の信念や感情の上だけで誇張し患者への正しい情報提示の妨げになる場合がある。バイアス無しの情報を自らが評価するように心がけるべき。


【状況要因】
・ Language and literacy issues
USでは多民族の流入によりリテラシーの問題があるようだ。通訳者から変数されるよりすべてを翻訳するよう補償してもらうこと、文化的な問題、性別、宗教、健康・病気への価値観の問題など考慮必要


・ Multiple people in the exam room
成人患者の16%で、通常の診療のときに同伴者がいる。診察室に同伴者がいる場合、患者に直接話しかける、何らかの抵抗があってもどちらかに偏らない、患者が情報・マネージメントプランを理解しているかを評価する。


・ 悪い情報を伝えるとき
聞きたくない情報を患者に伝えるときの準備は重要。その場に誰がいるかを知り、時間とプライバシーを護り臨床的状況をレビューする。早めに、既に知っていることを評価し、より多くの情報をどの程度欲しているかを評価する。新しい情報提示の時には、感情の変化・情報プロセスに対して患者が応答するに十分な時間を与える。提示した後、次のステップに移ることの同意を得て、フォローアップの手配をする。

by internalmedicine | 2007-07-05 10:38 | 医療一般  

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