COPD急性悪化の検知指標

非観血的経皮的酸素飽和度計が流布して、看護師のコールが頻回になった気がする。
酸素飽和度が92%になったと、緊急コールされることがある。心疾患患者でのSpO2低下ってこの程度でも無視できない場合を経験しているので、とがめることはよくないことと思っていても、どうもこのSpO2にやたらと看護師はナーバスすぎるのではないかと・・・思うことがよくある。

COPD患者の急性悪化において、呼吸苦は主観的指標のため感度が高くても特異度が低い。それで、客観的指標としてSpO2が参考になるのだが・・・自覚症状を無視して、SpO2重視というのも・・・

Can Spirometry, Pulse Oximetry and Dyspnea Scoring Reflect Respiratory Failure in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbation?
Medical Principles and Practice 2007;16:378-383 (DOI: 10.1159/000104812)
ED受信患者のおける低酸素・高炭酸ガス血症を反映するオキシメトリー、スパイロメトリー、呼吸困難スコアの程度を評価すること


平均68.0歳の76名の患者
平均スパイロメトリー値:
FEV1 = 23.1 ± 9%
forced vital capacity (FVC) = 32.8 ± 11%
mean FEV1/FVC = 72.4 ± 21.6%


SpO2、SaO2とPaO2値の正の相関(r=0.91、0,80)があり、PaCO2とSpO2は逆相関がみられた(r=-0.74)。

低酸素血症を決定するのに、SpO2とFEV1は感度がよく (83.9 、 90.3%) 、だが、呼吸困難スコアがもっとも感度が良い (93.5%).

%).
ROCカーブの方法を用いた評価だと、pulse oximeter飽和度 88.5%が低酸素血症反映するカットオフ値として最適 (感度 95.6%, 特異度 80.6%).






SpO2のことを、私の所在する地域では、なぜか“サーチ”と呼ぶ。どうも看護師同士で広がったようで、最近は医師までこのわけのわからない呼び方をするようである・・・

COPDの病態では、酸素飽和度は背後の高炭酸ガス血症、呼吸筋疲労を念頭に置かなければ解釈を間違うことがあるので注意が必要なのだが、どれほどの知識があるのか・・・とても心配になる。

saturation curveや酸素投与の基本、steady-stateってのを理解して現場に出てきてほしいなぁ・・・
http://www.bio.davidson.edu/Courses/anphys/1999/Dickens/Oxygendissociation.htmhttp://www.oqp.med.va.gov/cpg/COPD/archive/module_b/b4.htm

by internalmedicine | 2007-08-21 08:36 | 呼吸器系  

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