2型糖尿病における自己モニタリング ・・・ HbA1cだけで話を済ますなよ

2型糖尿病に関する自己血糖モニタリングにその有効性関して疑念が出されている。
HbA1cだけで話を終了してしまう医療側の問題も指摘されており、注意すべきだろう。

検査というのはその解釈方法、異常値のときの処置方法、そして自己モニタリングする役割というのがわからずに続行されても意味が少ない。実際自己モニタリングの実行は次第に減少しており、医療専門家の行動がこの傾向を決定づけている。
HbA1c値の解釈のみに医師の関心が偏り、医師が血糖値に関心を示してくれず、その有効性を患者自身が自覚できない。特に女性に多いが、近似の血糖値と行動の異常を結びつけ自責するものもいる。解釈困難さ、高値の時の対処法などに困り断念する患者もいる。
励ましと習慣化が持続のポイントである。

Self monitoring of blood glucose in type 2 diabetes: longitudinal qualitative study of patients' perspectives
BMJ 2007;335:493 (8 September), doi:10.1136/bmj.39302.444572.DE (published 30 August 2007)


それにしても、メタボリックシンドロームに関しても、腹囲だけに関心がむけられ、筋肉量まで減少した病的やせを見逃し、保健師がいいですよぉーーーっってことで、潜在していた疾患の見逃しにつながる危険性がある。こういう健康被害を国はちっとも斟酌しようとしない。科学的エビデンスを示さず、利己的学者や糞役人たちの空想で進む日本の保健制度・・・イギリスの地道な研究を見習って欲しいものだ。表面的な自分たちに都合の良い部分だけ選択して国民に知らす時代は終わっているのである。


2型糖尿病患者の広がりに関して、WHOでは次期四半世紀、2030年までに、3億6600万人にその罹患が及ぶと推定されている。mass screeningに関する関心がホットとなっている。

Helen Eborallら (doi: 10.1136/bmj.39303.723449.55, doi: 10.1136/bmj.39308.392176.BE) は心理学的影響について、ステップアップアプローチに関してadverse effectは無いようであるということを示した。

エディトリアルで、Ronald Stolkの指摘しているがごとく、実際に住民レベルでの健診でそのことが機能するかどうかまだ知られてないこと(doi: 10.1136/bmj.39323.395336.BEを留意すべきである。

無症状高血糖が心血管疾患予防に役立つかという荒っぽい質問にまだ答えられないのである。この答えに役立つであろうトライアルは来年終了するEborallらのデータで、それにより心理的インパクトが導き出されるだろう。

平均的に、Stokらは口渇・多尿を有するまで現行のままでおくべきであると助言している。

Farmerらは、血糖自己モニタリングが2型糖尿病の血糖コントロールに影響をあたえるというエビデンスがないことを見いだしている (BMJ 2007;335:132, doi: 10.1136/bmj.39247.447431.BE).

この解釈は、Simon Hellerは、患者の観点が重要で、それを新釈すべきと述べている (BMJ 2007;335:105-6, doi: 10.1136/bmj.39276.549109.47).

Elizabeth Peelら (doi: 10.1136/bmj.39302.444572.DE)は、長軸研究にて、自己モニタリングの意味と価値についての混乱した患者がおり、医師から持続した関心がむけられてないためといのが一部原因であるとされている。




・ Patients' experiences of screening for type 2 diabetes: prospective qualitative study embedded in the ADDITION (Cambridge) randomised controlled trial
BMJ 2007;335:490 (8 September), doi:10.1136/bmj.39308.392176.BE (published 30 August 2007)


・ Psychological impact of screening for type 2 diabetes: controlled trial and comparative study embedded in the ADDITION (Cambridge) randomised controlled trial
BMJ 2007;335:486 (8 September), doi:10.1136/bmj.39303.723449.55 (published 30 August 2007)


・ Editorial:Screening for diabetes
BMJ 2007;335:457-458 (8 September), doi:10.1136/bmj.39323.395336.BE (published 30 August 2007)

by internalmedicine | 2007-09-07 08:55 | 動脈硬化/循環器  

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