重症COPD患者における超音波推定肺動脈圧は信用できない

肺縮小術(LVRS)のため評価をうけた肺気腫患者において、Dopller echocardiographyが、肺高血圧症の周術的リスク評価の指標として使用されてきた。
果たしてこの検査の正確性はどの程度なのか、NETT研究のサブスタディーとして検討されたもの


Estimating pulmonary artery pressures by echocardiography in patients with emphysema
Eur Respir J 2007; 30:914-921
74回のカテーテルとエコーを63名の患者で施行
肺高血圧WHO定義にしたがうと、侵襲的検査に比較して、感度60%、特異度74%、PPV 68%、NPV 67%であった。
Bland-Altman解析で-.25~3.2kPaにおいて、95%限界は、0.37kPaのバイアス


要するに、重症肺気腫において、エコー推定下肺動脈圧は右心カテーテルによる実際圧測定と非常に弱い相関しかなく、test characteristicsとしてもpoorであるとのこと。

肺高血圧症は、正常な楔状圧(≦15 mmHg)で、心拍出量が正常または低下した上で、平均動脈圧(mPAP)が25mm Hg以上の状態とされ(Circulation. 2006;114:1417-1431、ACCP Guidelines PDF (Chest 2004;126;4-6))、COPDに伴う肺高血圧症は、平均肺動脈圧増加は比較的軽度のものが多く、25-35mmHg程度で、酸素投与や、急性の変化に終わることも多く、逆に慢性例もある。40mmHgを超える場合は通常内が、あった場合は急性呼吸不全の既往を1回以上持つことが多い(Crit Care. 2001; 5(6): 286–289.)。35-40 mmHgの場合は臨床的な宇心不全を伴い運動耐用能を著しく低下させることが多いという
また、連続波ドプラーにより誤診例(Eur Respir J 1998; 12: 1476-1478)も報告されており、エコーに頼りすぎるのはやはり問題ありということになるだろう。





上: 心尖four-chamber view (収縮期)で、収縮により右心室が拡張し、右室圧過剰負荷により正常の左室の本来の形態に幾何学的なゆがみを生ずる

下: Peak TR velocity : 4.68 m/s, peak gradient : 87.8 mm Hg


拡張期肺動脈圧推定
(Chest. 1999;116:73-77.)


上図 : 肺動脈圧記録パルス波Doppler超音波記録
下図 : 三尖弁逆流ジェットの連続波Doppler超音波記録
心電図は、三尖弁逆流速度測定時の参照ポイント(肺動脈弁opening時)決定のため使用

三尖弁逆流envelope(黒矢印)の外側境界の実践で示されたポイント.
Bernoulli equation (P = 4v2)にて圧力推定
洞調律時の3-5拍の平均、心房細動の時は7-10拍の平均

by internalmedicine | 2007-11-01 14:38 | 呼吸器系  

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