スパイラルCT肺がん検診NEJM論文批判論文

昨年、New England Journal of Medicine(Vol. 355:1763-1771 Oct. 26, 2006 No. 17 )で、スパイラルCTを行って検出されたら肺がん患者の10年生存率が90%に近づくというリード文献(International Early Lung Cancer Action Program (I-ELCAP) Study )が公表された。メディア関心をかなり集め、肺がん検診の即時開始の根拠になるものと感じたものもいるだろう。


ところが、上記考えに反対している報告
        ↓
Overstating the Evidence for Lung Cancer Screening
The International Early Lung Cancer Action Program (I-ELCAP) Study
Arch Intern Med. 2007;167(21):2289-2295.


4つの理由でこの論文は検診の根拠とはなり得ない
1)この研究は対照群を持たない
2)バイアスのないアウトカム測定がない
3)事前の研究からのこのトピックスについてすでに知られていることに関して考察がない
4)検診の有害性に触れられてない


医師が検診について考慮すべき2つの基本的考え;
(1) たとえ死亡を延長できなくても、生存が温存されなくても、早期検出は常に生存延長につながるという検診のトリック
survival is always prolonged by early detection, even when deaths are not delayed nor any lives saved
(2)ランダム化トライアルは検診で有益性が有害性を上回ることを決定できる唯一の方法であるという原則




日本ではこういう意見は、合理的であっても・・・保守的大勢意見で抹殺される。

近藤理論というからへんなんで、近藤氏の「がんもどき」は、癌検診の矛盾を言い当てているところがある。ただし全部合理的かというと???がつくが・・・

医学をしらぬメディアが「検診は役立たぬ」などと早計にはやし立てたせいで落ち着いた議論ができなくなってしまった。

胃癌検診、肺がん検診を強引に続けていることは問題はないのだろうか?・・・潜在的に発生する有害性に彼らは思いをはすことはないのだろうか?


基本的には胸部レントゲンだけに頼る日本の「肺がん検診」・・・まともな議論できる状況にない。厚労省の若手キャリアが講演という形の低レベルの方言にて開始された日本の肺がん検診・・・あれが全てをものがたっている。

by internalmedicine | 2007-11-28 08:33 | がん  

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