好酸球性食道炎

アレルギー疾患既往のない30代女性、嚥下時つかえ感にて来院
上部消化管検査にて多発性食道潰瘍指摘、同部位生検にて好酸球浸潤と末梢血のIgE増加みとめた


こういう、好酸球性食道炎、Eosinophilic esophagitis (EE)が日常臨床でも、認識されはじめてきている。

なんでもかんでもGERDと診断していると・・・誤診している場合があるのかもしれない。



REVIEW
Eosinophilic Esophagitis: Is It All Allergies?
Mayo Clin Proc. 2007;82:1541-15
多くの症例では嚥下困難と食物のつかえである。
eotaxin-3、IL5、STAT(signal transducer and activator of transcription) 6 などのメカニズムが研究され、治療ターゲットとなり開発が進められている。

アトピーの既往・家族歴を有することが多く、食道アレルギーや吸入アレルゲンがEEの引き金として考えあれている。
伝統的なアレルギー検査、皮膚プリック検査や特異IgE試験が食物・環境アレルゲン特定のため行われる。しかし、疾患は古典的I型アレルギー反応の可能性は低いので、パッチテストでは診断正確性を期待することはできないことが最近の研究で判明している。

EE成人の治療研究は主にfluticasone proprionateの嚥下薬剤を主体になされているが、子供のトライアルでは食事制限・主成分食事などが行われている。実際食事治療にて症状軽減に成功し、組織学的改善、寛解につながっている。だが、成人では同様の研究はなされていない。で、このレビューで成人での食事療法について・・・
という次第。

by internalmedicine | 2007-12-04 08:52 | 消化器  

<< 慢性膵炎のマネージメント(AFP) 呼吸器疾患患者の旅行は安全か? >>