高齢者へのテストステロンサプリメントは機能や認知能力を改善せずメタボリックに悪影響

健常老人(60-80歳)男性へのテストステロンサプリメントの機能的運動、QOL、体組成、aortic stiffness、心血管リスク、BMIなどへの影響を検討したもの

テストステロンサプリメントは、除脂肪体重は増やし、脂肪量は減らし、メタボリックシンドロームを増やしたそうで・・・

ISRCTN23688581

Effect of Testosterone Supplementation on Functional Mobility, Cognition, and Other Parameters in Older Men
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2008;299(1):39-52.
男性の加齢の多くの症状、所見はテストステロン値減少によるもととされている。そのため、テストステロンサプリメント(ウンデセン酸テストステロン80mg 1日2回)投与にてその効果をみた。
Emmelot-Vonkらは237名の低テストステロン値の60-80歳健康男性で、6ヶ月間のランダム化対照治験にて、除脂肪体重の増加とfat mass減少と相関するが、機能的な運動能、筋力、認知機能、骨塩密度改善には寄与しない。
インスリン感受性は改善したが、HDLコレステロールは減少。
サプリメントは副作用代謝的影響をもたらすかもしれない( 47.8% vs 35.5 P=0.07)。



メタボリックシンドロームってことで除脂肪体重や体脂肪量、インスリン感受性だけが眼に言っているが、それをテストステロンサプリメントで改善しようとしても、全てのパラメータや臨床的アウトカムは改善しないのだ。

by internalmedicine | 2008-01-02 22:14 | 動脈硬化/循環器  

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