メサコリン試験をいかなる場合行うべきか?

Cleaveland Clinicの特集だが、メサコリン負荷試験を行うのはrule-out主体というのを忘れてしまうので・・・一応記録

http://www.ccjm.org/ccjm_pdfs_toc/Jan08_Swartz.pdf

・喘息の診断に疑問がある場合・・・
i喘息を示唆する症候、たとえば咳嗽、喘鳴、呼吸苦、非定型的な所見などがあるが、通常のスパイロメトリーが正常、気管支拡張剤に反応しない場合
試験自体は陰性予測値が高いので、検査陽性時のrule inより、検査陰性時の喘息除外に役立つ
陰性のメサコリン試験結果は喘息をほぼ除外しうるが、陽性の場合は症状が存在しないなどの場合その解釈は注意が必要



・職業性喘息診断確立
特定の職場環境と関連する改善悪化の症状、詳細な病歴、身体所見、メサコリン試験にて診断が確定できる。研究でしばしば用いられ、有意な合法的状況、すなわち経済保証などの問題などで、可能性物質の特異的暴露試験がなされることがある



・可能なら、喘息マネージメント
臨床トライアルでは、喘息マネージメント意志決定が気道過敏性+通常の要因(症状と肺機能)に基づくとき、従来の症状+肺機能のみに従うときよりアウトカムが良好という報告がある。
治療の適切かのために気道過敏性測定を連続して行うことが有用だろうということを示唆する。しかし、治療の適正化は現在推奨されてない


・臨床リサーチ


【検査方法】
試験の間、患者はメサコリン・エロゾールを濃度増加しながら吸入する;様々なプロトコールが存在する。スパイロメトリーを各投与量暴露前後にて行い、FEV1のベースラインからの減少パーセンテージを記録する。
陽性反応はFEV1の20%低下であり、陽性反応を生じたprovocative 濃度をPC20と称し、気道過敏性の指標として用いる。
最高濃度のメサコリンでもFEV1低下が20%未満なら、陰性と判断し、PC20は">16 mg/mL"とか、">25 mg/mL"と記載する。
肺機能試験検査ラボの間で最大投与量はばらつきがあり、通常16、25、32 mg/mLが用いられる。検査は8-16 mg/mLの範囲で、患者毎の適切なcutoff pointが決められる。
メサコリン反応は特異的気道コンダクタンスで表現される場合もあるが、頼複雑で、body plethysmographyが必要となる。
吸入ヒスタミン、冷気暴露、定炭酸ガス過換気にて行われることもあるが、メサコリンがもっとも簡便で、設備があまりいらないし、ヒスタミンよりトレランスがよい。

by internalmedicine | 2008-01-07 14:14 | 呼吸器系  

<< たばこの筋への悪影響はNO合成... 2008年版ワクチン推奨スケジ... >>