アスリートの心電図再分極異常の長期予後
2008年 01月 10日
今回の研究は、
アスリートを対象に広範に研究したところ、1%程度に異常な再分局パターンが見られ、その人たちをフォローしたところ6%で、携帯異常が無くても、後に心筋症の診断となり、年間0.3%の死亡リスクとなるというもの
逆に、心電図の再分局異常がない場合は、その危険性がきわめて少ない
・・・今後のregulationの参考になる所見なのかも知れない。
心室再分極部分であるSTの異常を中心にアスリートで検討しているが、びまん性に存在するST低下、陰性T波が主だが、中には早期再分極も含まれているようである。
12誘導心電図は若年者、訓練を受けたアスリートにおいて、repolarization異常とR- もしくは S-波voltageの増加、左室肥大示唆の所見が多く認める
一般的には無害性所見として一般的には考えているが、構造的異常の所見がないアスリートの少数だが重大なサブグループにおいて、びまん性で深い陰性T波を含む特有な異常心電図所見を認めることがある。
次第に健康アスリートにおける心電図異常が診断的な疑問をもたらしつつある。
コレラの変化が、心血管疾患の主な、あるいは、わずかな所見をしめしているのか、あるいは、全身性、強化アスリートのコンディションの良性の変化としてみていいのか?
(A)
24歳の国家的なカヌー選手:びまん性T波陰性波:12ヶ月後心臓突然死
(B)
26歳地域レベルのサッカー選手、心エコー上左室肥大無し
R-、S-波増高(V2-6)、深い陰性T波(I、II、III、aVFとV2-6)
このアスリートは7年後非閉塞型肥大型心筋症のphenotypeとなった
(C)
29歳の国家レベルのサッカープレイヤーで、左室肥大や他の構造的異常を心エコーで認めず、心電図にて極度のrepolarization異常と外側・下壁誘導部位のST低下、T波陰性化をみとめる
観察研究、横断的調査にかかわらず異常パターンの臨床的有用性は不明のままであった。
若い訓練されたアスリート達の"disitinctive repolarization pattern”について特徴的な心電図異常と臨床的アウトカムを評価した論文
Outcomes in Athletes with Marked ECG Repolarization Abnormalities
N Engl J Med. vol. 358(2) 152-161 Jan. 10 2008
12550名の訓練されたアスリートから、既知の心疾患を持たない、連続した(1-27年、平均9±2年(SD))臨床的、ECG、心エコー検査をなされた、びまん性分布、深い陰性T波(少なくとも3誘導で≧2 mm)のケース81名を同定
異常心電図81名の内、5(6)は心筋症と結果的に判明、一人は24歳のとき突然死(臨床的にarrhythmogenic right ventricular cardiomyopathyということが明らかでなかった)
80名の生存アスリートの内、肥大型心筋症の臨床的・phenotype特徴として12±5ねんg 3名発症、うち1名は心臓停止未遂
5例目のアスリートは拡張型心筋症と9年後判明
一方、初期評価から9±3年の間229名の心電図正常のアスリートは、だれも心筋症の診断されていない (P=0.001)
by internalmedicine | 2008-01-10 10:38 | 動脈硬化/循環器