心筋梗塞血栓吸引

吸引付きカッターによるPCI・・・以前からされてたと思うのだが、システミックにやっと研究されたということか?



アニメーション:http://content.nejm.org/content/vol358/issue6/images/data/634/DC1/NEJM_Vetrovec_634a1.shtml



ST上昇急性心筋梗塞(STEMI)はPCI(percutaneous coronary intervention)を用いるが、血栓物質の遠心部での塞栓がこの施行上の有効性に制限を与えてしまう。
この研究で、PCI中の血栓吸引が潅流を改善し、臨床的アウトカムを改善した。
血栓吸引はSTEMIの治療の進展をもたらす。



Thrombus Aspiration during Primary Percutaneous Coronary Intervention
NEJM 358(6):557-567 Feb. 2008
【方法】 用手的吸引が初回PCI治療中の通常の治療より優れてるかどうかの検討。
1071名の患者を冠動脈再検前、ランダムに血栓吸引と従来のPCI群に分けて動脈血栓物質の組織病理的なエビデンスがあるときに成功とする。心筋再潅流の血管造影、心電図所見、臨床所見で評価。プライマリエンドポイントは心筋blushグレード (myocardial blush grade: MBG)(原著:Circulation 1998 June 16;97(23):2302-6. 参考Web:http://www.theblush.org/Files/blush%20slides/example_of_tmpg3.htm
心筋梗塞血栓吸引_a0007242_8545529.jpg


【結果】 MBG 0 or 1は血栓吸引群で17.1%、従来のPCIで26.3%(P< 0.001)
ST部位上昇の完全寛解はそれぞれ56.6%、44.2%(P<0.001)
前関連変数のベースラインでheterogeneityは認められず
30日めで、MBG 0、1、2、3は5.2%、2.9%、1.0%(P=0.003)
副作用イベント率は14.1%、8.8%、4.2%(P<0.001).である。
組織病理的な検査にて確定した成功率は72.9%である。

by internalmedicine | 2008-02-07 08:45 | 動脈硬化/循環器  

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