軽症COPD労作時呼吸苦メカニズム

軽症COPDの患者っての呼吸苦のバリエーションが広いような気がする。しかも治療方法に限界があり、なかなか患者にとって満足が得られないようだ。実際GOLDのstage I(
FEV1/FVC < 70%;FEV1 ≥ 80% 予測、で、時に、慢性咳嗽、喀痰増加)の治療オプションは禁煙指導とワクチン程度だし・・・

息苦しさってのは何で感じるんだ・・・って若い頃自問自答していた疑問

ある後輩からも質問され、「必要と感じている換気量に見合うような呼吸ができないときに感じるもの」と適当に答えていたが、それを思わせる一節があり、つまらない感慨にふけってしまった。


Mechanisms of Dyspnea during Cycle Exercise in Symptomatic Patients with GOLD Stage I Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 177. pp. 622-629, (2008)
【序文】まだ、相対的に温存されたFEV1をもつ喫煙者は運動時の息切れ、運動制限を示すが、そのメカニズムに関しては情報に乏しい
【目的】 GOLD stage IのCOPD患者の運動中の、呼吸苦、運動制限とともに、換気制限について検討
【方法】肺機能と漸増式サイクル運動に伴う換気応答(呼吸パターン、operating肺容量、肺ガス交換))、呼吸苦強度のBorg scaleの比較
有意な息切れを訴える21名の患者(拡張剤後のFEV1 1.91±7 % predicted、FEV1/FVC 60 ± 6%; 平均± SD) は、21名は正常スパイロメトリーの年齢・性マッチさせた健康対照
【測定項目と結果】対照者と比較した場合、COPD患者ではピーク酸素消費量、power outputは有意に20%減少し、呼吸苦レーティングは一定仕事率・換気あたりで増加する (P < 0.05)
対照と比較して、COPD群は運動中の換気必要量の増加を有する、小気道障害の広範なエビデンスが存在し、これはおそらく換気/潅流異常によるものと考えられる
運動時呼気終末肺容積の変化は健常者よりCOPDで大 (0.54 ± 0.34 vs. 0.06 ± 0.32 L, respectively; P < 0.05) で、換気パターンは浅くて早い
グループ横断的に、capacity%増加に伴い (P < 0.0005)、吸気予備容量減少に伴い (P < 0.0005)、呼吸苦強度増強


結論として、軽症COPD患者のうち、有症状患者では、運動による呼吸苦は換気要求増加に対してその努力が見合わない状況(deleterious effect of high demand)と動的換気換気メカニズムの異常の両者が関係するだろう。治療開発の手助けになるかも知れない。

by internalmedicine | 2008-03-05 14:06 | 呼吸器系  

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