肺癌予後推定因子:遺伝子メチル化

肺癌病期I、IIの予後推定にOLIG1メチル化欠如・減少が役立つか?2007-03-27 で触れたことがある。


DNA Methylation Markers and Early Recurrence in Stage I Lung Cancer
N Engl J Med. Vol.358:1118-1128 Mar. 13,2008
4つの遺伝子がStage I NSCLCの再発リスク推定に役立つとのこと

後顧的研究で、4つのプロモーター領域のメチル化を検出することで"molecular staging"と呼ばれる判断ができるという話

“DNA forensics”と考えられ、7つの遺伝子のプロモーター領域のメチルと手術後40ヶ月の再発リスクを調査し、結局4つの対照との最大差異をもつものに絞り込んだ。

最大の差異を有するものは、cyclin-dependent kinase inhibitor 2A gene p16、 H-cadherin gene CDH13、 Ras association domain family 1 gene RASSF1A、adenomatous polyposis coli gene APCであった。

原発巣・所属リンパ節・縦隔リンパ節p16のメチル化はそれぞれ単独で再発リスク増加と相関(P=0.001, P=0.008, P=0.00)

縦隔リンパ節のCDH13ののメチル化のみ、リスク増加と関連(P=0.002)

全ての遺伝子は予測の力をもつ


p16と、CD13RASSF1AAPCいづれかどれかが腫瘍・縦隔リンパ節両者に有れば、早期再発、平均9ヶ月が考えられる。

by internalmedicine | 2008-03-13 16:51 | がん  

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