殺虫剤使用と喘息:農場女性での疫学分析

殺虫剤を使用することはアトピー性喘息と関連する。有機リン系殺虫剤との関連が取りざたされている。

この研究では、使用期間頻度増加と喘息リスクの関係は用量依存的でなかった。さらに非アトピー性喘息との相関が少なかったことは、解釈を難しくしている。因みに感度分析ではアトピー性・非アトピー性の相関は説明困難であった。


Pesticides and Atopic and Nonatopic Asthma among Farm Women in the Agricultural Health Study
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 177. pp. 11-18, (2008)
Agricultural Health Studyの25814の農場女性研究
医師診断喘息・湿疹の有無・花粉症の有無
アトピー性喘息・非アトピー性喘息に分けた

登録(1993-1997)、702名(2.7%)の女性で19歳後医喘息師診断で、アトピー性282名、420名非アトピー性
61%が農場にて育ち、アトピー性喘息に防御的に働き( オッズ比 [OR], 0.55; 95% 信頼区間[CI], 0.43–0.70) )、非アトピー性ではその程度がやや低いがある(OR, 0.83; 95%CI, 0.68–1.02; P value for difference = 0.008)

殺虫剤使用がアトピー性喘息のほぼ限定的な相関である

農場におけるすべての殺虫剤使用は、アトピー性喘息(OR, 1.46; 95% CI, 1.14–1.87).

農場で育った女性ではとくに殺虫剤使用との相関が強かった。

農場で育ってない女性で、殺虫剤使用の少ない場合は、農場で育ってない、殺虫剤非使用のない女性に比べ、アトピー性喘息の最小の包括リスク (OR, 0.41; 95% CI, 0.27–0.62) である。

殺虫剤7/16、除草剤2/11、抗かび剤1/4は有意にアトピー性喘息と関連
作物へのペルミトリン投与は非アトピー性喘息と関連





アレルギー機序の存在が有機リン系の気道過敏性に影響を与え、その機序はIL-5が関与しているかも知れないという報告
 ↓
Antigen sensitization influences organophosphorus pesticide-induced airway hyperreactivity.
Environ Health Perspect. 2008 Mar;116(3):381-8.
Ovvalbumin過敏性はパラチオン誘起性気道過敏症の閾量を減少させ、迷走神経誘起性気管支収縮へのパラチオン効果を悪化させる。
IL-5抗体の前処置はパラチオン誘起性過敏症を、感作モルモットで予防させるが、非感作モルモットでは影響がない。
パラチオンは気道の好酸球数を増加させず、気道神経の好酸球活性化(MBP評価)を変化させない。


殺虫剤と慢性気管支炎の関係
 ↓
Pesticide use and chronic bronchitis among farmers in the Agricultural Health Study.
Am J Ind Med. 2007 Dec;50(12):969-79

by internalmedicine | 2008-03-14 16:03 | 呼吸器系  

<< COPD退院後維持リハビリテー... 幼少児のビタミンDサプリメント... >>