人工呼吸開始8-69時間で横隔膜の非活動化は生じる

横隔膜機能に関して人工呼吸がいかに悪さをしているか?
disuseによる横隔膜への影響は1日経過せずはじまる・・・という恐ろしさ!


臓器提供時横隔膜不活動性に関して、脳死患者の生検標本の変化は胸部手術患者測定と同程度であった。このデータは1日というオーダーで横隔膜の萎縮が始まるという知見に合致している。

Rapid Disuse Atrophy of Diaphragm Fibers in Mechanically Ventilated Humans
N Engl J Med. 358(13):1327-1335 Mar. 27, 2008
14名の脳死臓器提供者の横隔膜肋骨部の標本と、8名の良性疾患・限局性肺癌患者8名の標本を対照に比較

脳死臓器提供者と対照
・slow-twitchとfast-twitch fiber横断面積の減少(それぞれ57% (P=0.001) 、 53% (P=0.01))
・グルタチオン濃度の低下 23% (P=0.01)
・活性化caspase-3 発現増加 100% (P=0.05)
・atrogin-1 messenger RNA (mRNA) transcripts / MBD4 (a housekeeping gene)比 200%増加 (P=0.002)
・MuRF-1 mRNA transcripts / MBD4比 590% (P=0.001).


結論から言えば、人工呼吸18-69時間で横隔膜の非活動化は生じる






Atrogin-1 と MuRF-1 は ubiquitin ligasesで、蛋白質分解のubiquitin-proteasome系のキーコンポーネント
Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 2005;288:R337-R344.
Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 2005;288:R1423-R1431.


まったくの蛇足だが、立位・坐位と臥位では横隔膜鍛錬という意味では随分違うのではないかと思う。長期臥位患者の横隔膜への影響も考えられたり、早期に自呼吸を出させて横隔膜inactivityを防ぐというのはやはり重要なのだなぁとあらためて考えてしまう。

この論文は、横隔膜機能に関して重要となるだろう・・・

by internalmedicine | 2008-03-27 08:34 | 呼吸器系  

<< 冠動脈石灰化スコアと冠動脈イベ... ACOG 妊娠女性喘息推奨マネ... >>