慢性腎臓病の認識度

CKDに対する早期アウトリーチ普及がNKF主導で図られている。

日本政府がメタボばかりを推奨し、目先だけにとらわれてしまった馬鹿役人たちの存在
それだけのせいだけにはできまいが、日本全体で、昨年、CKD年をパスした感があるが・・・腎透析の経済的インパクトは巨大なものがあり、啓発の好機を逃してしまったのではないか?


ただ、日本だけではなく、認識は誠にpoorというのが実態で、GFR低下とともに、認識は向上する。GFR 50-60での診断認識率は僅か18% 

CKDは推定率 <60 mL/min/1.732

90日以上間隔をあけた最低2回、疾患認識を評価

20,923(26.6%)でeGFR測定にてCKD
このうち35.4%が自己認識あり

eGFR 50-60mL/min/17.32の場合、自己認識18.4%
eGFR <15の場合、自己認識92.2%

血中クレアチニン認識では、sCr 1.0-1.5のとき15.7%、≥3.5 mg/dLのとき90%

糖尿病患者(25%)、高血圧(50%)患者において認識率はそれぞれ39%、37%

心血管疾患、末梢血管疾患、卒中既往者、COPD患者での認識率は37-45%

人種・性差でも開きがある

プライマリケアでは非白人55.7%、白人33.3%、男性35.9%vs女性15.9%

65歳未満では37.6%、65歳以上では34.8%

プライマリケア医療機関において、共変数補正後、CKD男性より女性の方が66%ほど認知度が低い(OR 0.34, 95% CI 0.27 to 0.43)
白人は黒人より57%も認知度が低い (OR 0.43, 95% CI: 0.39 to 0.47)ことが判明した。



Fischer M, et al "Chronic kidney disease is significantly underrecognized among VA primary care users" NKF Meeting 2008; Abstract 218.

わたしが思うに・・・CKDの普及に関しておこなわれるべきことは・・・検査結果にeGFR記載を義務付けることから始めることだと思う・・・そしたら自然にその数値に対する疑問や質問が患者側から発せられることとなるだろう・・・と、提言したのだが・・・無視されたままだ(笑)

by internalmedicine | 2008-04-15 10:05 | 動脈硬化/循環器  

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