深部静脈血栓リスク:HRT貼付剤は少ない

ホルモン補充療法を貼付剤も同様な扱いにしていたが、深部静脈血栓では経皮ホルモン補充は影響を与えがたいようだ

ホルモン補充療法(HRT)は前の「閉経後女性の虚血性心疾患の一次予防」にもあるように,最近のRCT調査では心血管系疾患の一次,二次予防ともに効果が認められないと判断されている.(MINDS:ホルモン補充療法の施行法と注意点


Hormone replacement therapy and risk of venous thromboembolism in postmenopausal women: systematic review and meta-analysis
BMJ 2008;336:1227-1231 (31 May)
観察研究のメタアナリシスで、経口エストロゲンでは、VTEリスク増加したが、経皮的エストロゲンはリスク増加なかった。
エストロゲン非使用者にくらべ、経口現行使用者の初回VTEオッズ比は2.5(95%信頼区間 1.9-3.4)、経皮エストロゲンは1.2(0.9-1.7)

経口エストロゲン使用経験者のVTEリスクは非使用者と同等

経口エストロゲン使用女性でのVTEのリスクは、1年超治療したケース(2.1, 1.3 ~ 3.8; P<0.05)に比較して、使用1年のほうが高い (4.0, 2.9 ~ 5.7)

unopposedとopposedにおいて、VTEのリスクの著明な相違はない

9つのRCTの結果から経口エストロゲンのVTEリスクは確認された (2.1, 1.4 ~ 3.1).

経口エストロゲンと血栓性変異の組み合わせ、肥満がさらにVTEのリスクを促進する

しかし、経皮エストロゲンは、VTE高リスク女性で付加的リスクがあるようではない

by internalmedicine | 2008-05-30 18:03 | 動脈硬化/循環器  

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