閉塞型無呼吸症候群・CPAP治療による血管内皮機能改善効果

内皮由来弛緩因子(endothelium-derived relaxing factors:EDRFs)といえば、広義で 3 種類だそうで、”プロスタサイクリン(PGI2)、NO、内皮由来過分極因子(endothelium-derived hyperpolarizing factor:EDHF)”で、血管内皮は,活性化するとスーパーオキサイド,エンドセリン,plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)などの血管収縮物質,血栓形成促進物質分泌などとも関連して一言で”血管内皮機能”というのはいかがなモノかと・・・思うのだが・・・一応、表題のごとき報告を紹介。

もともと、血管内皮機能障害は、動脈硬化発症のメジャーな要因と認識されてきたが、その評価は侵襲性アプローチのみであった。Celermajerらが非侵襲的方法として提案したのが、FMD(flow-mediated dilation)であり、カフにて閉塞後虚血を生じさせて、その前後径を評価するもので、NOそして、shear stressの増加と関連するとされる。非常に研究が多くなったが、予後との関連のエビデンスはあいかわらず不足している。FMDという検査からみた動脈硬化予防 2004-04-06でもふれた。


という前置きをしておいて、いつか出てくるであろうと思われていた、OSAS・CPAP治療法とFMD的検査の結果

Continuous positive airway pressure improves vascular function in obstructive sleep apnoea/hypopnoea syndrome: a randomised controlled trial
Thorax 2008;63:578-583
【背景】 閉塞型無呼吸・低コキュ(OSAHS)は、高血圧、心血管リスクと関連、特に重度の夜間低酸素血漿を伴う場合顕著である。相関のメカニズムは不明である。
OSAHS+重症夜間低酸素血症事例で、CPAP治療にて血管機能を改善するかどうか。

【方法】 OSAHSの患者2群の血管機能比較: AHI20超
27名の4%desaturations/h群(desaturation群)
19名の4%desaturation無し群(non-desatrutaion群)
ランダム化、二重盲検、プラセボ対照化、交叉トライアルにて、CPAP治療6週間の血管機能への評価をdesaturation群検討

全ての研究で、血管機能を forearm venous occlusion plethysmography にて検討
血管内皮依存性 (acetylcholine 5–20 µg/min and substance P 2–8 pmol/min)・非依存性血管拡張 (sodium nitroprusside 2–8 µg/min)を動脈内投与して検討。

【結果】非desaturation群と比較して、OSAHS+desaturation患者は、全てのアゴニストに対して血管拡張性を減弱する (p = 0.007 for all)
AHI(apnoea/hypopnoea index)とdesaturation頻度はacetylcholineの血管拡張ピークと逆相関する (r = –0.44, p = 0.002 and r = –0.43, p = 0.003) 。sodium nitroprusside(r = –0.42, p = 0.009 and r = –0.37, p = 0.02)も逆相関。

プラセボに比較して、CPAP治療は、全ての血管拡張剤の前腕血流を改善する(p = 0.01)

by internalmedicine | 2008-06-28 10:10 | 呼吸器系  

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