MMP-9は冠動脈性心疾患(CHD)に病態では関わるかもしれないが、予測因子としては不合格

動脈硬化に関するバイオマーカーの意義ってのもなかなか解釈が難しい・・・病態に関わる物質であっても、それが臨床的に役立つとは限らない。

MMP-9の役割に関する報告

Serum matrix metalloproteinase-9 and coronary heart disease: a prospective study in middle-aged men
QJM, doi:10.1093/qjmed/hcn088
MMP-9は動脈のプラーク破裂に関して悪化要因の可能性

MMP-9値は、喫煙、炎症・血液凝固因子と相関し、年齢、BMI、血圧、脂質異常とは相関せず


MMP-9基礎値の上位1/3は、下位1/3と比べて、CHD年齢補正オッズ比1.37 (95% CI 1.04–1.82)

通常のリスク要因補正後オッズ比は有意差境界となりOR 1.28 (95% CI 0.95–1.74)

一般的な炎症製マーカーであるIL-6やCRP補正後さらにこの相関が減弱する:OR 1.13 (0.82–1.56)


MMP-9は結局、他の炎症性マーカーや喫煙というパラメーターと独立した因子ではなさそうで、あんまり、CHDリスク予測マーカーとしては役立ちそうもない。ただ、CHDの病態に関わることは確かなようだ。


いつものごとく、googleでひろった図でお勉強・・・


(http://www.nature.com/nm/journal/v9/n6/full/nm0603-702.html)

by internalmedicine | 2008-08-06 09:32 | 動脈硬化/循環器  

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