1型糖尿病:血圧と網膜症発症の関係

血圧とアルブミン排泄率(AER; albumin excretion rate)は交絡関係にあるのでは?

10年後の網膜症の差を考えれば、血圧コントロール必要・・・でも、妊娠時のACE阻害剤・ARB阻害剤・CCBの処方制限を考えれば若い女性の1型糖尿病の血圧コントロールの処方は難しい

Role of blood pressure in development of early retinopathy in adolescents with type 1 diabetes: prospective cohort study
Published 26 August 2008, doi:10.1136/bmj.a918
Cite this as: BMJ 2008;337:a918
網膜症検診された、1869名の1型糖尿病(54%女性)で、ベースライン中央値年齢13.4(中間4分位12.0-15.2)歳の4.9(3.1-7.0)年、アルブミン排泄率 4.4(3.1-6.8)μg/min
網膜症なしの1093名のサブグループで、4.1(2.4-6.6)年フォローアップ

収縮期血圧(オッズ比 1.01, 95% 信頼区間 1.003 ~ 1.02) と拡張期血圧(1.01, 1.002 ~ 1.03) は、尿中アルブミン排泄率(1.27, 1.13 ~ 1.42)、HbA1c(1.08, 1.02 ~ 1.15)、糖尿病罹病期間(1.16, 1.13 ~ 1.19)年齢 (1.13, 1.08 ~ 1.17)、身長(0.98, 0.97 ~ 0.99)の補正後も網膜症の予測因子であった。

アルブミン排泄率低値( < 7.5 µg/min)の1025名のサブグループで、10年糖尿病罹患時の網膜症累積リスクは、収縮期血圧90パーセンタイル比率比較で表すと 58% vs 35% p=0.03

拡張期血圧でのリスクは、57% vs 35% p=0.005

by internalmedicine | 2008-08-29 11:47 | 糖尿病・肥満  

<< 耳あか診療ガイドライン(AAO... 日本の女性のBMIコホート >>