身体運動による認知機能・認知症予防効果(ランダム化トライアル)

ランダム化研究ということで重要な報告

介入は週150分の中等度強度の身体運動で、週3回50分のセッションで行われたもの


Effect of Physical Activity on Cognitive Function in Older Adults at Risk for Alzheimer Disease
A Randomized Trial
JAMA. 2008;300(9):1027-1037.
ITT解析にて、介入群は、介入終了時ADAS-Cog 0.26ポイント(95%信頼区間[CI], -0.89 - 0.54)改善し通常ケアでは1.04(95%CI 0.32-1.82)悪化

アウトカム測定の絶対差は-1.3(95%CI -2.38 - -0.22)で、18週後介入群にて ADAS-Cog 0.73(95%CI -1.27 - 0.03)改善し、通常ケア群で0.04(95%CI -0.46 - 0.88)の改善で会った。

Word list delayed recallとClinical Dementia Rating合計指標は同様に中等度改善
Word list total immediate recall、 digit symbol coding、 verbal fluency、 Beck depression score、 Medical Outcomes 36-Item Short-Form physical、mental component summariesは有意な差はなかった。


観察データにて、身体運動活動性により認知機能低下・認知症のリスク減少させることが示唆されていたが、確実なランダム化トライアルの証左はなかった。
身体運動が高齢者の認知機能低下を減少させるかどうか客観的評価のため、Lautenshlagerらは、ランダムに50歳以上の、記憶障害が記録されたが、認知症クライテリアに合致しないケースで通常ケアと24週自宅ベース身体運動プログラムに割り付け検討

研究者たちは、通常ケアと比較して、身体運動群では18週フォローアップ機関にて認知機能低下率の減少が中等度認められた。
エディトリアル(JAMA. 2008;300(9):1077-1079. )ではLarsonが、日機能衰弱とwell-being改善における運動のベネフィットを論説している。


本来の高齢者に対する予防介入は、こういうの研究の成果を効果的に地域に組み入れる手法を研究するのがほんとのはず
介護保険という国家的な仕組みをつくり予防介護というお題目はできていたはずなのだが・・・なにか国際的なエビデンスになるような報告ができているのだろうか?
まさか、税金垂れ流しってわけじゃないですよね・・・・→お役人さん、介護保険の仕組みに助言されているお偉いさんたち

by internalmedicine | 2008-09-03 08:44 | 精神・認知  

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