大動脈二尖弁:機能異常・心内膜炎・大動脈解離などと関連

大動脈二尖弁は、大動脈弁機能異常、心内膜炎、大動脈解離による死亡・合併症増加と関連する。ただ、生存率は一般住民と9年フォローアップ程度では差が出ない。





642名の成人大動脈二尖弁コホート(平均年齢(SD):25(16)歳)で、9(5)年フォローアップにて、161名が1つ以上の心血管イベントを生じ、生存率の影響があったと報告

人工の1-2%と言われ、男女比2:1で、胎児検討で1000名比 男児 7.1 vs 女児 1.9という報告がある
http://www.emedicine.com/ped/topic2486.htm



Outcomes in Adults With Bicuspid Aortic Valves
JAMA. 2008;300(11):1317-1325.




死亡率・死亡原因を求め、プライマリ心疾患イベントは"大動脈弁・上行大動脈へのインターベンション、大動脈解離・動脈瘤、入院必要な、うっ血性心不全”と定義

・28例死亡(平均[SD], 4%[1%])
プライマリ心疾患イベント一つ以上発生は161名(平均[SD], 25%[2%])
・心臓疾患死 17 名 (平均 [SD], 3% [1%])
・大動脈弁・上行大動脈へのインターベンション 142 名 (平均 [SD], 22% [2%])
・大動脈解離、大動脈瘤  11 名 (平均 [SD], 2% [1%])
・入院必要なうっ血性心不全 16 名 (平均 [SD], 2% [1%])


プライマリ心臓疾患イベントの独立した予測因子は30歳以上であること(ハザード比 [HR], 3.01; 95% 信頼区間 [CI], 2.15-4.19; P<.001)、中等度・重度大動脈弁狭窄 (HR, 5.67; 95% CI, 4.16-7.80; P<.001)、中等度・重度大動脈弁逆流(HR, 2.68; 95% CI, 1.93-3.76; P<.001)

10年生損率は有意に一般住民推定と差はなかった (平均 [SD], 96% [1%]) vs 平均 [SD], 97% [1%]; P = .71)

最終フォローアップ時、大動脈洞拡大や上行大動脈の拡大が見られた(平均[SD], 45% [2%])

by internalmedicine | 2008-09-17 09:35 | 動脈硬化/循環器  

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