肺炎Clinical Failureの頻度、原因、タイミング、リスク要因

”clinical failure(s)”という言葉も、まぁ、”人権派・医療崩壊促進”医師連盟やマスコミなどがミスリードや意図的誤訳しそうな言葉である。

”治療失敗”とでも彼らは訳すかもしれない。"Clinical failure"の定義は報告によりばらつきが見られるようだ。“development of respiratory failure or shock”という単純な定義もあれば、以下の典型的な定義もある。

1. Death – 3-day, 7-10 day, 30-day
2. Persistent or recurrent bacteremia by causative organism on Rx
3. Complication: necrotic lung, empyema, remote infection (joint, bone, heart valve)
4. Delayed defervescence
5. Duration of hospitalization
http://www.fda.gov/cder/meeting/CAP/Musher.pdf

・・・これに準じているようだが・・・

Incidence, Etiology, Timing, and Risk Factors for Clinical Failure in Hospitalized Patients With Community-Acquired Pneumonia
(Chest. 2008; 134:955-962)
500名検討で、"Clinical failure”としたのは、 67 名(13%)で、CAP関連Clinical failure は54名 (81%)。そのCAP関連のclinical failureは、重症敗血症(33%)、急性心筋梗塞(28%)、肺炎の重症化(19%)。
重症敗血症は入院後72時間で全例生じている。
CAPに関連しないclinical failureは、HAP(45%)発症である。
入院時点でのCAP関連のclinical failure予測因子は、高齢、うっ血性心不全、低血圧、病的ガス交換、アシドーシス、低体温、血小板減少、胸水である。



ともすると、肺炎の初期治療不成功だけに注目するが、敗血症と急性心筋梗塞にも注目すべき・・・ということか

by internalmedicine | 2008-11-07 10:47 | 感染症  

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