中国でのヒト顆粒球アナプラズマ症(HGA)の二次感染ルートはヒト→ヒト

中国からの報告のダニ媒介の新しい感染症という話題
Nosocomial Transmission of Human Granulocytic Anaplasmosis in China
JAMA. 2008;300(19):2263-2270.



わが国においてもヒトに感染する可能性のあるA. phagocytophilum の存在が明らかに・・・
http://idsc.nih.go.jp/iasr/27/312/dj312d.htmlと怖い話である。


ヒト顆粒球アナプラズマ症[Human Granulocytic Anaplasmosis (HGA) はアメリカで1990年、ヨーロッパで1997年確認された感染症

指標患者は発熱より12日前にダニに刺され、発熱・出血にてプライマリケア医受診、二例目は(医療従事者・家族)で、 Anaplasma phagocytophilumの抗体陽性であった。

安徽省(アンホイ省)の地域病院で2006年11月9日から11月17日まで、9名の熱や他の症状ありのHGA診断クラスター発症で、9名はダニ刺なし。
9名全員が12時間以内に広汎出血、気管内挿管された指標患者に接触した。指標患者接触後に手袋手洗いはされてない。指標患者死亡12時間以内に濃厚接触(20インチ以内)28名中9名が感染したことになる。血液に全員が接触し、7名が気道分泌物に接触している。
血液・呼吸器系分泌物皮膚曝露されたり、皮膚の事前病変がある場合はとくに感染しやすかった。

これらのケースの伝播経路はダニ刺ではなく、血液・気道分泌物曝露がもっとも考えられる。





アナプラズマ病(anaplasmosis) :動衛研

Human Granulocytic Anaplasmosis and Anaplasma phagocytophilum(CDC:http://www.cdc.gov/ncidod/eid/vol11no12/05-0898.htm
発熱、筋肉痛、頭痛、全身倦怠、吐き気、嘔吐、下痢、咳嗽、関節痛、発疹、頚部硬直、意識消失、検査値(白血球減少、血小板減少、AST・ALT増加、Cr上昇)(引用)というもので、発疹わずか3%という・・・非定型的な症状だらけである。


輸血によるAnaplasma phagocytophilum感染(http://www.imic.or.jp/mmwr/backnum/5742.html)という報告もあり・・・臨床的なインパクトは大きい感染症である。

by internalmedicine | 2008-11-19 10:53 | 感染症  

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