幸せは感染する - しかし、不幸な友達を見捨てるな

Happiness is infectious - but don't drop your unhappy friends just yet
幸せは感染する - しかし、不幸な友達を見捨てるな
集団発生現象って訳すとなんということもないのだが、“collective phenomenon”と呼ばれる、幸福の連鎖現象がBMJで報告されている。


肥満は大規模社会ネットワークを通じて“感染”し広がる  2007年 07月 26日と類似した内容か?
このよな現象は、喫煙行動も同様である。
特異的行動や気分変調の広がりが社会的ネットワークをもって広がる。
考えてみれば、不況の時の気分の落ち込みなんかもそうなのかもしれない。
・・・なんか含蓄のある報告となっている。

Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study
BMJ 2008;337:a2338, doi: 10.1136/bmj.a2338 (Published 4 December 2008)
【目的】幸福は人から人へ広がるかを評価、そして、社会ネットワーク内の幸福の程度を評価したもの
【デザイン】 長軸的社会ネットワーク解析
【セッティング】 Framingham Heart Study social network.
【研究対象】4739 名(1983 ~ 2003)
【主要アウトカム測定】4つのitem scaleで測定した幸福度;社会ネットワークの寄与の分布配列と社会的つながりの広がり
【結果】



幸福・不幸のclusterがネットワークで可視化し、幸福度の広がりを3段階まで広げる(例. 友達の友達まで)

多くの幸福な人に囲まれた火と、ネットワークの中心にある人は将来幸福になる可能性が高い。

長軸的統計的モデルでは、幸福の集積は、幸福の広がりからもたらされ、それは単に同様な状況の人々が集まりやすいというものではない。

1マイル、約1.6km内にすむ友人がいて、その人が幸福となる人が、幸福である蓋然性は25% (95% 信頼区間 1% ~ 57%)増加する。

同様な影響は、同居夫婦 (8%, 0.2% ~ 16%),でも、1マイル以内に住む兄弟 (8%, 0.2% ~ 16%)、隣人 (34%, 7% ~ 70%)でも見られる
この影響は仕事の同僚では認められない。影響は時間の経過や地理的な距離により薄れる。

【結論】 人の幸福は、そのつながりのある人の幸福度に依存する。
これは、健康のような幸福であることをみることが正しいことであるという、collective phenomenonといったものを正当化する根拠となる

by internalmedicine | 2008-12-05 11:12 | 医学  

<< State-of-the-Ar... 降圧利尿薬に関する検討会:サイ... >>