抗酸化サプリメントと癌予防

すでに速報があった文献で以前書き込んでいる。
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ビタミンE・C、セレニウムサプリメント 前立腺癌予防効果示せず(PHSII、SELECT) 2008年 12月 10日

今日は、エディトリアルを意訳・略訳してみた。

セレニウムとビタミンE癌予防トライアル(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial)で50歳以上の4群トライアルで、5.45年中央値にて、前立腺癌予防効果無し
Effect of Selenium and Vitamin E on Risk of Prostate Cancer and Other Cancers: The Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial (SELECT)
JAMA. 2009;301(1):39-51. Published online December 9, 2008


Physicians' Health Study IIデータによる解析で8.0年フォローアップにて前立腺癌や全癌のリスク減少なし
Vitamins E and C in the Prevention of Prostate and Total Cancer in Men: The Physicians' Health Study II Randomized Controlled Trial
JAMA. 2009;301(1):52-62. Published online December 9, 2008



1996年にNPC(Nutritional Prevention of Cancer)トライアル報告で、セレニウム・サプリメントが前立腺癌に効果有るという報告で沸き立った。そしてビタミンEにてATBC({alpha}-Tocopherol, Beta Carotene)トライアルにて35%前立腺癌35%幻想という報告が続き、抗酸化防御にて予防効果が意味あることとされてきた。両治験ともpost hoc解析に基づくであったが、ランダム化が働き、交絡因子が働いてないように見えた。
12年たって、2つのトライアルで見えた光明が立ち消えたニュースが飛び込んできた。
PHS Ⅱ研究が無駄であるかはそうではなく、14000名の男性医師が被験者で、ベースラインの血中解析、喫煙曝露、サブ解析研究で貴重な多くのデータを今後も生むことだろう
PSA測定の広まりが治験に多くの治験デザインやトライアル解釈に制限を与えてしまっている。そして、前立腺癌死亡率がSELECTでは一般よりかなり低いという問題もある。そしてPHSIIでも同様に低いらしい。

前立腺内のアンドロジェンは、前立腺癌早期増殖遅延をもたらす可能性がある。しかしながら、5α-reductase阻害剤を推奨するにはコスト・安全性において正当化できない。前立腺癌だけのために食事内容を変容させるのはどうかという問題もある。
いまこそ、上記3つのトライアルを充分に解析して、クリティカルに検討する次記ではないかという意見。セレニウム・ビタミンE早期予防投与結果が偶然だったことは明かとなった。PSA→生検群で、プラセボ群よりセレニウム群被験者がすくなかったというNPCトライアル結果などバイアスがかかってた可能性がある。

by internalmedicine | 2009-01-07 09:56 | がん  

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