進行パーキンソン病に対する脳深部刺激療法:副事象

些事だが・・・
「深部脳刺激」というのと、「脳深部刺激」ってのが2つあるようだ。Google検索だと、前者約 26,200 、後者約 23,300 件でほぼ拮抗している。Medical Finderだと、「脳深部刺激」のみ。英語直訳だと深部脳手術って事で、用語の混乱がある。





脳深部刺激(Deep brain stimulation)はパーキンソン病進行期治療として認められているが、最適な薬物治療より効果的かどうかは不明。
Weaverらはランダムに255名の進行期パーキンソン病患者をdeep brain stimulationとベスト薬物治療に割り付け
6ヶ月後、deep brain stimulationの方が、"on" time (スムーズでない運動機能だが良好な運動コントロールができている状態:good motor control with unimpeded motor function)、運動機能、quality of life改善が見られた。
ただ、重篤な副事象は認められた。



Bilateral Deep Brain Stimulation vs Best Medical Therapy for Patients With Advanced Parkinson Disease
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2009;301(1):63-73.





副事象に関しては、
重篤な副採用イベントの包括リスクは薬物治療の3.8倍

49名脳深部刺激患者(40%)で82の重篤な副事象
15名の最良薬物利用患者(11%)で19の重篤な副事象

もっとも頻度の多い副事象は手術部位感染で、神経系疾患、精神疾患、デバイスによる合併症、心疾患を含む重篤な合併症で、認知機能異常、言語困難、instability、歩行障害、うつなどで、術直後には浮腫、リードの破損、頭皮の皮膚壊死・感染など




現在、画期的な治療法ということだけが先行し、その限界と副事象に関する一般へのアナウンスがすくないのではなかろうか?

by internalmedicine | 2009-01-07 13:56 | 運動系  

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