就学前児童のウィルス誘起性喘鳴への高用量フルチカゾン投与効果

前の論文(就学前児童へのウィルス誘起性喘鳴への経口ステロイド投与は意味がない 2009年 01月 22日)とあわせ考察すべき・・・ってことになるだろう


小児において、上気道感染は、喘鳴エピソード80%超を有する。急性期ケアのうち、1000住民あたり30で、就学前児童は喘息で受診し、就学児童・成人よりその比率が高い。
上気道感染の時のみ、喘鳴を有するほとんどのこどもは、非アトピー性で、症状は6歳までにoutgrowする。

吸入ステロイドを先制攻撃的マネージメントとして活用することの是非が問題となる。

この報告の結論は、
中等症・重症ウィルス誘起性喘鳴の就学前児童に対して、高用量フルチカゾンによるpreemptive治療により、経口ステロイド・救急使用を減少させる。
ただ、フルチカゾン治療は身長体重増加に小程度影響を与える。
過剰使用の可能性がある限り、予防的アプローチは、長期副事象が明らかになるまで、臨床の実践として適用としてはならない。
というもの



Preemptive Use of High-Dose Fluticasone for Virus-Induced Wheezing in Young Children
N Engl J Med. Vol. 360:(4) 339-353 Jan. 22, 2009
1-6歳の小児へ、にフルチカゾン・プロピオン酸 750μgとプラセボを1日2回、急性上気道感染発症時点で投与し、最大10日間投与
プライマリアウトカムは、経口ステロイド投与量の減少、セカンダリアウトカムは、症状、β2アゴニスト使用、急性医療機関受診、入院、研究薬剤の中止、成長・骨密度変化、ベースのコルチゾール値、副事象イベント


中央値40週において、FP群の上気道感染8%でで全身ステロイドrescue使用となった。
対して、プラセボでは18%で、オッズ比 0.49; 95% 信頼区間 [CI], 0.30 ~ 0.83)。

FP治療のこどもは、プラセボ比較
・身長増加:
 6.23±2.62 cm [非補正値]; z score, –0.19 ±0.42 vs. 6.56±2.90 cm [非補正値]; z score, 0.00±0.48; ベースラインからエンドポイントまでのzスコアの群間差, –0.24 [95% CI, –0.40 ~ –0.08])
・体重増加:
 1.53±1.17 kg [非補正値]; z score, –0.15±0.48 vs. 2.17±1.79 kg [非補正値]; z score, 0.11±0.43; ベースラインからエンドポイントまでのzスコアの群間差, –0.26 [95% CI, –0.41 ~ –0.09])

コルチゾール基礎値、BMD、副事象イベントに差なし



喘鳴の”moderate-to-severe”とは・・・原文中で定義されてない。入院を重症のマーカーとして設定すると書かれているが、他重症度判定は、その回数、事前6ヶ月以内の経口ステロイド使用なども重症度判定に書かれているが、具体的重症度判定基準は不明。


日本の小児科医というのは、Steroid phobiaが多いのだが・・・この報告をどうされるのか?興味津々・・・

by internalmedicine | 2009-01-22 09:35 | 呼吸器系  

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