COPD患者は独立した心血管疾患リスク要因ではない・・・

世界的に見ると、COPDは成人での有病率は5-15%。有病率・死亡率とも増加傾向にあり、心血管疾患とともにCOPDは世界中で年間300万人に及ぶ死亡数である。たばこという胸痛の疫学要因にて、一方では気道閉塞を、一方では心血管来す。
COPDの慢性炎症が動脈効果へ及ぼす影響も考慮されてきているが、はたして、そうなのか?

Chronic obstructive pulmonary disease is an independent predictor of death but not atherosclerotic events in patients with myocardial infarction: analysis of the Valsartan in Acute Myocardial Infarction Trial (VALIANT)
European Journal of Heart Failure 2009 11(3):292-298; doi:10.1093/eurjhf/hfp001

急性心筋梗塞(acute MI)14703名の、COPD関連の死亡・主要血管(CV)イベントのリスクを評価
Valsartan in Acute Myocardial Infarction (VALIANT)研究の解析

Cox proportional hazards modelを用いてCOPDとCVアウトカムの関連を評価

COPD1258(8.6%)で、フォローアップ機関中央値は24.7ヶ月、COPD有りでは全原因死亡率は30%で、COPD無しでは19%

死亡率補正ハザード比(HR)は1.14(95%信頼区間 1.02-1.28)

これは、非CV死亡[HR 1.86 (1.43–2.42)] 、突然死の頻度増加 [HR 1.26 (1.03–1.53)]を反映

しかし、多変量解析後、COPDは動脈硬化イベントの独立した予後因子とは成らなかった [MI or stroke: HR 0.98 (0.77–1.23)]
死亡率はβ遮断剤治療患者で低く、気道系疾患の関連せず

結論としては、急性MIの高リスク群では、死亡率、非致死的臨床的イベント増加と関連する。
だが、COPD患者が動脈硬化の高リスク予後因子というわけではない。



COPDでの一律β遮断剤使用差し控えやLABAの安全性は?

by internalmedicine | 2009-03-14 08:44 | 呼吸器系  

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