免疫不全対象者の結核・IGRA検査に関する報告

もともと、BCG非接種対象者では、TSTも感度が良い(下記レビューでは感度>95%と表現)のだが、日本においてはBCG接種が広くなされていることもあり、ツベルクリン試験(TST)の評価が難しく、Interferon-{gamma}–release assays (IGRAs)の期待が大きい。

この検査による、老人や透析患者での結核感染除外の報告がなされている。日本で利用できるのはQuantiFERONのみだが、QFT-2Gと同じ抗原を使用した結核感染診断法ELISPOT(製品名:TSPOT-TB)に比べて感度が落ちることが指摘されつつある。
・Systematic Review: T-Cell–based Assays for the Diagnosis of Latent Tuberculosis Infection: An Update
Ann Int Med. Volume 149 (3) p 177-184 5 Aug. 2008


・Clinical Utility of the QuantiFERON TB-2G Test for Elderly Patients With Active Tuberculosis
CHEST May 2008 vol. 133 no. 5 1196-1202
・The value of QuantiFERON®TB-Gold in the diagnosis of tuberculosis among dialysis patients
Transplant..2009; 0: gfp030v1-gfp030



さらに・・・

結核感染免疫不全者は結核のreactivationリスクが増えるが、ツベルクリン試験の偽陰性によりその管理が困難となる。T細胞INFγ測定検査 T-SPOT.TB (TS.TB) と QuantiFERON-TB Gold In-Tube (QFT-IT) がこのlatent な結核感染の診断の正確性を改善したということになってるが、その検討。


結論は、血液検査により、TSTより多くの感染患者が見つかるが、診断的合致性は被験者群間によりばらつきが見られる。インターフェロンγ検査を高リスク群で行うことを推奨

Performance of Tests for Latent Tuberculosis in Different Groups of Immunocompromised Patients
March 2009, doi: 10.1378/chest.08-2575

前向きに三群の異なる免疫不全群患者を1年の期間検討
120名の肝移植候補、116名の慢性HIV感染患者、95名の造血系腫瘍患者


TST、 TS.TB 、 QFT-ITを同時施行

TSTは他の検査に比べ、陽性率が少なく10.9%、TS.TBは18.4%、QFT-ITは15.1%

HIV感染患者(9.5%)では、肝移植候補患者(35.8%, p < 0.001) 、造血系患者(29.5%, p < 0.001)より陽性率が低い

TS.TBを比較で、TST(κ=0.16)、QFT-IT(κ=0.19)で、診断合致率は中等度 (κ=0.40–0.65) で、HIV群では低下


陽性対照値低地故の中間的検査はQFT-ITで多く (7.2%)、TS.TBで少ない (0.6%, p < 0.001)


TSTは免疫能低下している状態ではそろそろ・・・お役ご免か?

by internalmedicine | 2009-04-11 11:13 | 呼吸器系  

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