癌・緩和ケア医師の死後フォローアップ:電話、お悔やみカード、葬儀参列など

死亡した患者の命日近くに毎年墓参りに行くというすごい先生を知っているが、さすがにそこまでする医師は、私は、その人一人しか知らない。わたしのところでも自主的に葬儀に参列する看護師もいて、そういう方針の医療機関もあるらしい。

少数の癌専門医は死後フォローアップを行っている。まだ、医師間にコンセンサスがないことが示唆される。

Bereavement Practices of Physicians in Oncology and Palliative Care
Arch Intern Med. 2009;169(10):963-971.
背景:癌専門医は頻回に死の過程の患者と高度に相互関連するが、その臨床実践についての理解はすくない。この研究の目的は、医学オンコロジスト(MOs)たち、放射線オンコロジスト(ROs)、緩和ケア専門(PCs)で検討し、死後フォローアップと関連する要素を調査

方法:匿名の電子メール・郵便メールにてカナダのMOs、ROs、PCsの調査をそれぞれの国家機関を介して行った

結果:756名中535名の医師に調査完遂(71%)
回答者のうち33.3%(95%信頼区間[95% CI] 29.3%-37.4%)が、患者の死後、電話、お悔やみカード、葬儀参列と答えた。

30.5% (95% CI, 26.5%-34.4%) がこれらのうち一つを時々行うと答えている

36.2% (95% CI, 32.1%-40.3%) が、どれか一つでも滅多に行わないと答えている

専門医療において、回答者は、お悔やみカードや葬儀参列より家族に電話をかける事が多い。

緩和医療専門では、死後フォローアップ高率

多変量解析にて、女性、学術的仕事、緩和ケア専門、フォーマルな緩和ケアプログラムがなかったこと、医師がお悔やみカードを送ることに対応するという確約すること、患者死亡数が多いことが、死後フォローアップ頻度増加と関連する。



欧米などキリスト教が主流の国と、各種宗教、仏教ですら多くの宗派がある日本で、はたして、一定のレスポンスで良いのか?悲しみの回想とだけならないか?・・・コンセンサスが未だ無いようで・・・どう対応するかは個々の判断だとおもうが・・・

by internalmedicine | 2009-05-26 10:15 | がん  

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