レビュー:塩と健康・世界の減塩プログラム

日本政府・厚労省って馬鹿だと思う・・・メタボなんてするより、塩分制限を国家的にやった方がどれほど合理的だったか・・・JTを守る必要でもあったのだろうか?

塩分摂取極端に少ない地域では高血圧なんて発生しない・・・という事実

A comprehensive review on salt and health and current experience of worldwide salt reduction programmes
Journal of Human Hypertension (2009) 23, 363–384; doi:10.1038/jhh.2008.144; published online 25 December 2008
心血管疾患(CVD)は、死亡・disabilityのもっともトップの原因である
血圧高値、コレステロール、喫煙がもっとも主要な要素である
このうち、血圧高値は最も重要な原因で、卒中の62%、冠動脈心疾患の49%がそれによるとされる
重要なことに、リスクは血圧全てであると考えられ、収縮期血圧115mmHgからそのリスクは始まる。


現行の塩の接種が血圧増加の主要原因であり、CVDの原因となるのである

故に、食塩高摂取食は直接に血圧の影響に関連無く有害性があり、卒中リスク、左室肥厚、腎障害をもたらす。

エビデンスが増加しているが、塩分摂取は肥満と関連し、腎結石・骨粗鬆症と関連し、胃がんの原因にもなる。
多くの先進国では、塩分摂取制限が次第に進み、食べ物産業の食物への塩負荷量の減少がなされつつある。日本(1960-1970)、フィンランド(1975-)、UK(現在)塩分制限がなされている。これが、全ての国に広がっている。

住民の塩摂取の軽度低下は公衆衛生上の大きな改善をもたらす


塩分摂取と収縮血圧増加スロープ(INTERSALT研究)



2つのポルトガルの村の血圧変化:減塩村と非減塩村:一年後の変化、二年後変化でも継続




中等度減塩トライアルのメタアナリシス:24時間尿中ナトリウムの変化
○:正常血圧
●:高血圧

スロープは血圧変動の変数の逆数を比重化
●のサイズはトライアルの比重




DASHダイエットの効果




ハザード比: 冠動脈性心疾患(CHD)、心血管疾患 (CVD) 、全原因死亡:食塩 6g/日(24時間尿中ナトリウム排泄推定)




累積頻度:心血管疾患(CVD) 減塩介入群:Trial of Hypertension Prevention (TOHP) I とII(年齢、性、クリニック補正)




卒中と塩分摂取



左室容量



胃がん



日本部分抜き書き
最近ランダム化住民ベースの介入トライアルは日本の北東地方の地域二カ所の550」名で行われ、食事カウンセリング1年で、24時間尿中ナトリウム測定で、2.3g/日減量させ、収縮期血圧3.1mmHg、減少をもたらした J Hypertens 2006; 24: 451–458.

日本の1950年代は、卒中死亡は世界で最も多く、特に特定地域、北部に多く、高度の塩分摂取を伴っていた。日本のさまざまな地域では卒中数が異なり直接塩分摂取量と関連していた。10年かけて塩分摂取を13.5→12.1g/日に減量させ、北部地域では18→14g/日と低下した。この減少に平行して、成人・小児の血圧は低下し、死亡率が80%減少した。このときはまだ脂肪摂取は増加し、喫煙、アルコール摂取、BMIも増加傾向にあった頃であった。西洋風のライフスタイルが過食となったが、血圧にの影響が少なかった。塩分摂取の全体的減少が結局卒中脂肪の大幅な低下の原因となった。(Prophylactic Approach to Hypertensive Diseases. Raven Press: New York, 1979, pp 467–474)

by internalmedicine | 2009-05-28 15:16 | 動脈硬化/循環器  

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