レビュー記事:COPDの免疫的な側面

COPDの特徴は、可逆性が不完全な気流制限であり、小気道・肺胞の異常炎症反応を伴うものとさえる。小気道の基本的異常は炎症性細胞の存在、気道壁の肥厚のリモデリングとして特徴付けられ、気道径の減少、気道抵抗増加となる。肺胞壁の炎症細胞浸潤、肺胞の破壊、気腔の拡大が特徴で、この呼気流量を生じる弾性圧の減少をもたらす。気道閉塞を伴わない慢性気管支炎は喫煙者の約50%である。COPDを生じる生じないの違いは何なのか?

COPDを免疫学的観点、特に、適応免疫、自然免疫に分け、COPDの病期とともに解説したもの

Immunologic Aspects of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
N Engl J Med. Vol 360:(23) 2445-2454 Jun. 4, 2009
COPDへの3つのメカニズム
Step 1 — Initial Response to Cigarette Smoke
喫煙に伴う煙が上皮障害を生じ、”danger signal"として、上皮のTLRsのリガンドとして働き、この作用はケモカインやサイトカイン産生につながり、炎症の起点となる。細胞外マトリックス障害を生じ、結果TLRリガンドの遊離、TLR活性化をもたらし、さらなる炎症、組織障害、抗原物質の産生につうなある。このイベント鎖は、樹状細胞の成熟、局所リンパ器官へのmigrateとなり、T細胞活性化を生じ、発症につながる。Step1固有の炎症が最小化、コントロール下なら、疾患は消滅するだろう。COPDもしくはGold stage 1でない喫煙者の典型的プロセスがこれなのだろう。


喫煙→”danger signal"→IL-8、IL-1β、TNF-α、GM-CSF、MCP-1、ICAM-1→自然免疫系(組織障害・上皮細胞と内皮細胞・アポトーシスとphagosome、壊死・HSP、エラスチン、未成熟樹状細胞・細胞外マトリックス(TLR))




Step 2 — T-Cell Activation and Proliferation
step 1に引き続き、成熟樹状細胞は、局所リンパ組織にmigrateし、TLRsの刺激とともに、CD80-CD86、サイトカイン発現をもたらし、T細胞抗原提示、Th1(effector CD4+ type 1 helper)とcytolytic CD8+ T細胞の増殖をもたらす
樹状上皮からのIL-6分泌により、Treg(regulatory T)細胞からのシグナルを回避することで、effector T 細胞の増殖に向かう。活性化に伴い、effector T細胞は組織特異的ケモカイン受容体を発現する。免疫調整、寛容メカニズムはT細胞effcotor、homing、イベント的に疾患重症度に影響を与える。非寛容はGold stage 3 or stage 4と関連する。Gold stage 2は中等度寛容と関連し、Gold stage 1では完全寛容

リンパ節内:樹状細胞(CD80、CD86)→IL-6を介してTregs
       ↓
CD8+、CD4+(MHC・抗原)


homingにて肺へ

Step 3 — Adaptive Immune Reaction(適応免疫系)
step 2の免疫寛容・調整不全により、適応免疫性炎症(自己免疫)が肺内で生じ、それは、CD4 type 1 helper(Th1) T細胞、cytolytic CD8+、IgG産生B細胞で構成される炎症である。
Regulatory T 細胞 (Treg) と γδ CD8+ T細胞は適応免疫炎症の重症度を調整する。生じた免疫炎症は、CD4+ Th1 T細胞により生じ、活性化自然免疫の活性化による生じる酸化ストレス、proteinseの産生、cytolytic CD8+T細胞とB細胞ととおに、細胞の壊死・アポトーシス、免疫複合体・補体沈着、気道のリモデリングを伴う細胞障害、肺気腫、抗原物質提示を伴い、永続性のプロセスを生じる反応を伴う。step 3において、完全な自己免疫プロセスが生じ、多くは重症疾患 (Gold stage 3 と stage 4)となる。

Th1(Tregs,TγδCD8+によるmodulation) →B細胞(補体沈着、免疫複合体)、自然免疫(proteinase,ROS,NO)・CD8+(アポトーシス)→組織障害→抗原提示と疾病過程持続・COPD発症

by internalmedicine | 2009-06-04 09:38 | 呼吸器系  

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