肺炎球菌と黄色ブドウ球菌の競合的コロナイゼーションの関係・・・・ワクチンで問題に

この話題はどっかで訳したような気がするんですが・・・

肺炎球菌と黄色ブドウ球菌は小児気道感染で通常の病原菌である。相互競合的な関係にキャリアとして存在する両細菌があり、もし肺炎球菌ワクチンが広まれば小児の上気道細菌叢に多大なる影響をあたえることとなる。米国では小児肺炎球菌ワクチン戦略上問題になっているようである。小児におけるセフェム乱用の影響が少ない成人ではこのような関係は見出せない?

Association Between Carriage of Streptococcus pneumoniae and Staphylococcus aureus in Children
JAMA. 2004;292:657.
790名のスクリーニングしたなかで、43%が肺炎球菌、10%が黄色ブドウ球菌キャリア。
肺炎球菌キャリアの中で黄色ブドウ球菌キャリアは6.5%で、肺炎球菌非キャリア中の黄色ブドウ球菌キャリアは12.9%。
黄色ブドウ球菌キャリア中の肺炎球菌キャリアは27.5%で、黄色ブドウ球菌非キャリア中の肺炎球菌キャリアは44.8%。
両病原菌の共生はわずか2.8%で、予測値4.3%より少ない(P=.03)
肺炎球菌キャリアのリスク要因である、託児所・若年例の兄弟の存在・は黄色ブドウ球菌キャリアと負の相関。
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小児におけるセフェム乱用が少ない成人ではこのような関係は見出せないが、コミュニティーでの影響は否定できない。まご→じいさん・ばあさんという関係もあるわけで・・・日本ではワクチン行政はサヨクにより引っかき回されてるわけで、それどこではないとおもいますが・・
黄色ブドウ球菌ワクチンはまだコマーシャル化しないのかな?

by internalmedicine | 2004-08-11 12:05 | 感染症  

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