肥満に対するハーブ治療のシステマティック・レビューと称する論文

BaltimoreのOriolesのピッチャー Steve Bechlerは、2008年9月20日トレーニング中急死した
http://topics.nytimes.com/topics/reference/timestopics/people/b/steve_bechler/index.html
これが、エフェドラ規制が米国で広がるきっかけとされている。 →エフェドラ(麻黄)禁止令をめぐって(1)(http://www.anzai-assoc.com/toyo2.pdf

日本では、エフェドラでなく、アナボリック・ステロイド使用と混同・曲解されて報道されていた。恣意的なミスリードだったのか分からないが、日本では、エフェドラの健康被害の問題が広く語られることは一切無い。


以下の論文、システマティック・レビューと称する報告だが、出版バイアスの検討はなく、ヒトの研究に関してそれぞうれの検討数も少なく、メタアナリシスがなされてない。にもかかわらず、むりやり結論づけ・・トンでも論文・・・と判断したい。それでも、エフェドラ・カフェイン、防風通聖散に関して副事象についての記載がある。

データベース検索の内、915の結果でレビュー、総数77研究を含め、19のヒトの研究、58の動物研究

A systematic review of the efficacy and safety of herbal medicines used in the treatment of obesity
World Journal of Gastroenterology, 07/06/09

Cissus quadrangularis (CQ),、Sambucus nigra、 Asparagus officinalis、 Garcinia atroviridis、エフェドラ、カフェイン、 eSlimax (extract of several plants including Zingiber officinale and Bofutsushosan) で有意な体重減少を示した。

41の動物研究で、体重減少、体重増加防止効果を示した。

副作用、死亡率で、エフェドラ、カフェイン、防腐通聖散意外は有意差無し



"No significant adverse effects or mortality were observed except in studies with supplements containing ephedra, caffeine and Bofutsushosan."という一文がある。

エフェドラ・カフェインの副作用について、口腔乾燥、不眠、神経過敏、動悸、頭痛
・Boozer CN, Nasser JA, Heymsfield SB, Wang V, Chen G, Solomon JL. An herbal supplement containing Ma Huang-Guarana for weight loss: a randomized, double-blind trial. Int J Obes Relat Metab Disord 2001; 25: 316-324
・ackman RM, Havel PJ, Schwartz HJ, Rutledge JC, Watnik MR, Noceti EM, Stohs SJ, Stern JS, Keen CL. Multinutrient supplement containing ephedra and caffeine causes weight loss and improves metabolic risk factors in obese women: a randomized controlled trial. Int J Obes (Lond) 2006; 30: 1545-1556

by internalmedicine | 2009-07-07 10:23 | Quack  

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