食物アレルギーと喘息

Food allergy and asthma • Review
*J Andrew Bird, A Wesley Burks
Department of Pediatrics, Duke University Medical Center, North Carolina, USA
Primary Care Respiratory Journal (2009); 18(X): XX-XX
Received 31 January 2009 • Accepted 4 May 2009 • Online 8 July 2009
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食物アレルギーと喘息はしばしば併発する、しかし、喘息コントロールに食物が寄与する頻度はきわめて希。
食物アレルギーと喘息患者には、fatalあるいはnear-fatal アナフィラキシーの高頻度であることに注意を払うべき。
原因アレルゲン回避と、適切な栄養を保証することが大事
アレルギー反応に関する症状教育と、自己注射エピネフリンデバイス処方、そしてその適切な使い方のインストラクションが大事



食物アレルギーのこどもの約1/3は喘息をもち、喘息のこどもの4-8%が食物アレルギーを有する
皮膚プリックテストで見ると、鶏卵・牛乳あるいは両者反応陽性で、成人喘息の予測オッズ比は10.7
小麦と小児喘息の関連も報告されている。
USAでの食物アレルギーの最大の原因は牛乳(2.5%)、以下、卵(1.3%)、ピーナッツ(0.8%)、小麦(約0.4%)、大豆(約0.4%)、ツリー・ナッツ(0.2%)、魚(0.1%)、貝(0.1%)
大豆、小麦は学校に上がる年齢になると消失すると言われている。牛乳は4歳までに19%、8歳までに42%、12歳までに64%、16歳までに79%消失。卵アレルギーは、4歳4%、6歳12%、10歳37%、16歳
 68%消失
成人では結局、貝(2%)、ピーナッツ(0.6%)、ツリー・ナッツ(0.5%)、魚(0.4%)。
EUでは、ごま、マスタード、セロリ、sulphite、ルーピンなども報告。ヨーロッパでは野菜・果物がトップである。
喘息児童のPEFの検討では、卵・牛乳回避で、アトピー症状と肺機能改善の前向き単盲験の結果だが、成人では再現性なし。ナトリウム、カリウム、マグネシウム、抗酸化ビタミン、脂肪酸などで検討されたがいずれも結論的なエビデンスはない。

by internalmedicine | 2009-07-10 14:17 | 呼吸器系  

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