【オゾン発生装置健康被害放置の日本】オゾン濃度:大気6.6時間・70 ppbで健康成人の肺機能低下

日本の国民・政府・学会など、”オゾンホールなどの天空上の正の影響”のせいか、オゾンの健康被害に関して無神経すぎる。医療機関や介護施設内に”オゾン室内殺菌装置”なるものの設置を呼びかける広告をみるたび・・・政府はなにやってるんだ!・・・と、怒りに震える。

”0.1ppm”という基準がなぜか完全に安全という基準とすり替えられ、いつのまにかいくつかの報告では”0.5ppm”で十分な殺菌というおそろしい報告を堂々としている業者がいる。

中には、”推奨オゾン濃度は1ppmで、最低0.5ppm以上を目標としている”という、殺菌のみ考慮して何が悪いと開き直ってんじゃないかという記述(e.g. http://www.senlights.co.jp/gijyutu/bc-sikenkekka.html)もあったり、”吹き出し口オゾン濃度 最大0.8ppm”というオゾン発生器を病院・介護・福祉施設の利用例をたくさん紹介し、勧めていたり(google 検索:VR-40 オゾン)・・・

0.07ppm(70 ppb)でも、健康成人に対して、肺機能低下をもたらすという報告がなされた。

日本は、基準も不十分で、オゾン発生器国対して野放しになっている・・・この事実を医療関係者などは周知すべき。政府の馬鹿はいまに始まったわけではないが・・・


6.6-Hour Inhalation of Ozone Concentrations from 60 to 87 Parts per Billion in Healthy Humans
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2009; 180: 265-272.
序文:ヒトにおける肺機能減少 最小オゾン濃度と量を適切なNational Ambient Air Quality Standard基準確率のためのリスク評価と考えられる。

目的: 健康成人6.6時間暴露プロトコールによりFEV1減少をもたらす症状発生を生じる最小平均オゾン濃度

方法: 肺機能と自覚症状を31名の健康成人(18-25歳、男女、非喫煙者)で、6.6時間、チェンバー内暴露: フィルター化空気、4つの時間毎変化パターン(オゾン平均濃度 60、70、80、87 part/billion ppb)

測定主なアウトカム: 空気フィルター比較で、FEV1の統計的有意な減少と総自覚症状スコアの増加(P<0.05)が オゾン 70、80、87 ppbで測定された。
それぞれのプロトコール終了時のFEV1( (±standard error)平均パーセント変化は、空気、60、70、80、87 ppbで、0.80 ± 0.90、–2.72 ± 1.48、 –5.34 ± 1.42、 –7.02 ± 1.60、  –11.42 ± 2.20%

結論: オゾン 70 ppb吸入 6.6時間吸入で、健康成人に対し、統計学的に有意なFEV1減少がみられた。
これは現行の基準である 8-hour National Ambient Air Quality Standardより低濃度で影響があることを意味している。




100 ppb(0.10 ppm)を基準とする日本の行政
オゾン利用に関する安全基準:http://www.nedo.go.jp/expo2005/ecodrain/pdf/std_ozone050322jp.pdf
作業環境オゾン濃度基準(日本・産業衛生学会許容濃度委員会):1985年に0.1ppm(0.20mg/m3)を労働環境における許容濃度としている。労働者が1日8時間、週40時間程度の労働時間中に、肉体的に激しくない労働に従事する場合、暴露濃度の算術平均値がこの数値以下であれば、ほとんどの労働者に健康上の悪影響がみられないと判断される濃度である。





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オゾン問題  2007-06-23

by internalmedicine | 2009-08-03 14:10 | 環境問題  

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