低炭水化物ダイエット(アトキンス・ダイエットなど)は血管修復を阻害する

低炭水化物ダイエット(LCHP) の長期影響

Atkinsダイエットのような低炭水化物・高脂肪食は、体重はたしかに減るようなのだが、何が悪いのだろう・・・といわれたとき、反論しようがなかった。せいぜい、一過性の現象で、もとに戻りますよ・・・程度だった。

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だが、LCHPが直接、血管新生・修正を阻害するという知見がもたらされた

炭水化物摂取を減らし、蛋白・脂肪摂取を増やすことで、肥満者の体重減少を有意にもたらす。
しかし、マウスの研究で、低炭水化物ダイエットにて、心血管系にネガティブな影響をもたらし、コレステロール増加、炎症性マーカー増加をもたらす。
Shi Yin Foo らは、低炭水化物ダイエットにて血管系ダメージをもたらす。しかし、それはすぐにあきらかになるものではない。標準食とくらべ、低炭水化物、高蛋白食で、心臓・血管系の動脈硬化形成が増加し、血管ダメージによる血管造成を阻害する。
この動脈形成性やダメージにかかわらず、コレステロールや炎症などの血中マーカーでは標準の西洋食マウスと差がない。
著者らは、血管progenitor細胞数の減少を見いだした。現在、血管増生に関して食事介入による調整が関連するとは知られてなかった。

Vascular effects of a low-carbohydrate high-protein diet
PNAS September 8, 2009 vol. 106 no. 36 15418-15423


ApoE-/-動脈硬化マウスモデル虚血誘導血管新生モデル
LCHPマウスを標準chow食事(SC)、西洋食(WD):死亡・これ末ロールを多く含むもの
LCHPのマウスを標準cow食維持有無で比較
LCHP食マウスは動脈硬化をより発症させ、組織虚血誘導新血管新生能力を傷害する。
この変化は、単にコレステロールや炎症性メディエーターや炎症性浸潤、酸化ストレスで説明できない。
LCHP食は実質骨髄や末梢血血管内皮前駆細胞(EPCs)の数を減少させ、血管再生能力の低下をもたらしている。マウスのLCHP食からのEPCsは活性化(リン酸化)Akt値を低下させる、これはEPCsの移動、増殖、生存にとって大事なserine-hreonine kinaseである。
動物モデルにおいて、LCHP食は非脂質大栄養素が血管前駆細胞や病態生理に影響を与えることが示された。

by internalmedicine | 2009-09-10 15:53 | 動脈硬化/循環器  

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