高齢者の運動は、寿命、身体機能の改善につながる

年齢上限無く身体活動性を高める推奨がされているが、高齢における身体活動性亢進のベネフィットを支持するエビデンスに乏しい。身体活動レベル維持、増進、減少の、生存率、機能、健康状態への影響を検討したもの

Physical Activity, Function, and Longevity Among the Very Old
Arch Intern Med. 2009;169(16):1476-1483.

erusalem Longitudinal Cohort Study (1990-2008)を用いて、70-88歳の死亡データ、健康、合併症、機能を70歳、78歳、85歳時点で評価
1920、1921年生まれの1861名のサンプルを、結果として17109人年フォローアップ

70歳で、8年間死亡率は、高身体活動性 vs 閉じこもり で 15.2% vs 27.2% (P < .001)
85歳で、3年生存率は、6.8% vs 24.4% (P < .001)

死亡率リスク要因補正Cox比例ハザードモデルで、身体活動レベル、70歳時点、78歳時点、85歳時点でそれぞれ、死亡率低下ハザード比  0.61; 95% 信頼区間 0.38-0.96、0.69; 0.48-0.98、 0.42; 0.25-0.68


有意な生存ベネフィットは、開始時身体活動性と相関
70歳-78歳間(P = .04) 、 78 -85 間 (P < .001)

ただ、閉じこもりに比べ、身体活動性のレベルが高いほど、用量依存的な死亡率減少はしめさない。

78歳の身体活動性は、85歳での遂行能力との相関は独立して存在 (オッズ比, 1.92; 95% 信頼区間 1.11-3.33).


高齢者間で、身体活動運動 維持、開始は生存・機能と相関する。高齢者に運動を推進する根拠となる知見である。

この研究の限界は、コホートサイズが小さいことと、自己申告運動れべるであること
細かな運動の質の検討がなされてないことなど・・・



高齢者への運動介入は、社会的にも、有益だろう。なにより、本人にとってだが・・・



ネーミング利得や特定業者の利益誘導ととれる”パワーリハビリ”のような安易なやり方は、結果的に、高齢者運動啓発活動に悪影響を与えたと考える。

提灯記事:パワーリハビリ 2004-12-20

パワーリハビリ反対!!! 2004年 12月 15日
パワーリハビリから運動療法の論文のメモ  2005-08-04

「介護予防リハビリプログラムの開発」という公明党の選挙戦略の一つでもあった。
http://www.komei.or.jp/news/2004/0717/1075.html

政党戦略・パテント取得業者の利益・医療福祉関係者の売名的行為とマスコミの大騒ぎではじまった”パワーリハ”・・・

NHKは、また同じことを繰り返そうとしている・・・

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by internalmedicine | 2009-09-15 11:24 | 運動系  

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