BARECII: スピリーバ+ホクナリンテープvs スピリーバ単独 ・・・意義がよく分からない

UPLIFTから学んだこと:スピリーバは疾患予後を改善するために用いるのではなく症状改善として用いるべき(2008年 10月 09日)でふれたが、”UPLIFTでは、tiotropium治療の死亡率低下が統計的じれったいほどの有意差しかなかった。昨年、TORCHトライアル(TORCH :これもプライマリアウトカムが・・・2007年 02月 22日 )は死亡率減少を見いだしたが、通常の統計学的クライテリアを見いだすものではなかった”という皮肉がNEJMエディターから述べられているのだが、日本の呼吸器学会などではその否定的な部分に言及されることはない。

だが、現時点では、tiotropiumがCOPD第一選択であることを否定することまではできないだろう。

・・・となると、LABA+(ICS)が次なる追加考慮薬剤となるわけだが・・・


スピリーバ+持続性β2経皮剤 vs スピリーバ比較なら、結論は、論文みなくても分かる気がする。


Beta-2 Agonist Research and Evaluation committee in COPD(BARECII)研究

Additive effects of transdermal tulobuterol to inhaled tiotropium in patients with COPD
In Press Corrected Proof , Available online 30 October 2009
Masakazu Ichinose, Kuniaki Seyama, Masaharu Nishimura, Yoshinosuke Fukuchi, Atsushi Nagai, Michiaki Mishima, Keishi Kubo, for the Beta-2 Agonist Research and Evaluation Committee in COPD (BAREC) Study Group
Respiratory Medicine
DOI: 10.1016/j.rmed.2009.09.012


2週間のrun-in期間後、103名のstable COPD 40歳以上患者を2群にランダム化、8週間投与
・inhaled tiotropium (18μg, Tio group)
・transdermal tulobuterol (2mg) combined with inhaled tiotropium (18μg, Tio+Tulo group)

プライマリ・エンドポイントは肺機能と呼吸困難重症度
セカンダリ・エンドポイントはSGRQ

優越性なのか、劣性比較なのか、同等性比較なのか・・・記載無し

両群、FEV!、FVC、呼吸困難は8週後有意に改善

両群比較で、IC、朝・夕PEFは有意にTio+Tulo群が、Tio群より改善

加え、SGRQスコアは、Tio+Tulo群でのみ改善

副事象リスクは増加認めない


たしかに、貼付型の長時間作用性β2刺激薬「ホクナリン®テープ」は、吸入手技を伴わないためコンプライアンスに大いに問題有る患者治療に便利。だた、フォルメテロールやサルメテロールなどの吸入とすると経皮投与から全身循環ということで、吸入の全身性副事象に比べ、危惧を有する。
むしろ、副事象をターゲットにおいた検討が必要だろう。

スピリーバ吸入使用できるような人達にあえて、吸入でなく、貼付剤を使用する意義って・・・あるのだろうか?

そして、
”SGRQスコアは、Tio+Tulo群でのみ改善”・・・健康関連QOL(SGRQスコア)に関してTio群単独で効果がなかったというのは・・・ちょっと疑問
 QOL評価に用いたSGRQに関しては、6カ月後から48カ月後のいずれの時点においても、チオトロピウム投与群は対照群に比べ有意にスコアが低かった。すなわち、QOLが4年間にわたり有意に高い状態が続いていた。そのスコアの差は2.3~3.3ユニットであり(p<0.0001)、FEV1 などと同様に6カ月後における改善幅をほぼそのまま維持した形になっている。さらに、チオトロピウム投与群は4年後においても試験開始時のスコアよりも低かったが、対照群は3年後にそれを超えた。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/special/ebm/topics/200810/507821.html

by internalmedicine | 2009-11-24 09:12 | 呼吸器系  

<< メタアナリシス:薬剤と高齢者転倒 HEAAL研究:ACE阻害剤不... >>