大豆と乳がん: 大豆タンパク 11g/日まで、死亡・再発 線形に抑制 

大豆食品には、イソフラボンを含み、自然のエストロジェン受容体modulatorであり、エストロジェン様・抗エストロジェン様特性を有する。大豆イソフラボン接種と乳がん再発、生存率の関連を評価。

Shu らは、住民ベースで、上海のデータ(Shanghai Breast Cancer Survival Study )を解析し、両アウトカムと逆相関を示した。
疫学研究としては、Life After Cancer Epidemiology (LACE)(Breast Cancer Res Treat. 2009;118(2):395-405)は診断後の大豆フラボノイドとの関連性研究。
この報告は大規模住民ベースコホート研究である。だが、これもがん診断後の調査。


大豆摂食とがんの死亡率・再発抑制の関連、11g/日大豆タンパクまで線形関係で、それ以上は追加ベネフィット無し


Soy Food Intake and Breast Cancer Survival
Xiao Ou Shu, MD, PhD; Ying Zheng, MD, MSc; Hui Cai, MD, PhD; Kai Gu, MD; Zhi Chen, MD, PhD; Wei Zheng, MD, PhD; Wei Lu, MD, PhD
JAMA. 2009;302(22):2437-2443.





コホート研究により、一定量での大豆としての、乳がん死亡率・再発抑制効果が示された。

だが、過剰摂取の有害性、サプリメントとしてのイソフラボンに関しては、有益性・有害性とも不明。

問14:大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は、どのくらいの大豆食品に相当しますか?

(1)大豆食品中の大豆イソフラボン含有量は問6にあるとおりばらつきがあるうえ、さまざまな大豆を活用した食品を日常的な食生活において摂取しています。このため、大豆イソフラボンの総摂取量の上限値の目安がどのくらいの大豆食品の摂取量に相当するのかを単純に計算することはできません。
(2)なお、食品安全委員会は、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」の中で、この上限値について、「なお、大豆イソフラボンアグリコンの一日摂取目安量の上限値、70~75 mg/日は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であること、また、大豆食品からの摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに、健康被害に結びつくというものではないことを強調しておく。」という考え方を示しております。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_daizu_qa/index.html#b14


大豆イソフラボンアグリコン量と、上述の大豆タンパク量の関係:JAMA論文中に、 ” a linear dose-response pattern until soy protein intake reaches 11 g/d (or soy isoflavone intake reaches 40 mg/d)."と表現があり、農水省制限は、19.25g/日~20.62g/日とかなり厳しいようだ。


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by internalmedicine | 2009-12-09 10:50 | がん  

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