抗うつ薬と閉経後女性の心血管リスク・死亡率の検討 卒中、出血リスク明らかに

Women's Health Initiativeを元に、 Smoller らが、抗うつ薬と卒中・全原因死亡率増加との関連を示した。ただ、冠動脈疾患との関連はなかった。

136 293名の閉経後女性を5.9年間フォローアップ。selective serotonin reuptake inhibitor (SSRI) 使用は卒中リスクと関連 (hazard ratio [HR], 1.45) 、そして全原因死亡率 (HR, 1.32)とも関連。卒中の解析にて、SSRI使用はincident 出血性(HR, 2.12)と、致死的卒中 (HR, 2.10)と相関。しかし、SSRIのTCA使用の有意な心血管疾患イベント・死亡率への影響は認めない・・・という報告。

Antidepressant Use and Risk of Incident Cardiovascular Morbidity and Mortality Among Postmenopausal Women in the Women's Health
Jordan W. Smoller, MD, ScD; Matthew Allison, MD, MPH; Barbara B. Cochrane, PhD, RN; J. David Curb, MD, MPH; Roy H. Perlis, MD, MSc; Jennifer G. Robinson, MD, MPH; Milagros C. Rosal, PhD; Nanette K. Wenger, MD; Sylvia Wassertheil-Smoller, PhD
Arch Intern Med. 2009;169(22):2128-2139.

著者らは、医師は、抗うつ薬服用老人では心血管疾患リスクコントロールについて配慮が必要と述べているが、なんだか結論と合致してない気がする・・・卒中リスク、特に脳出血リスクが明らかになったのに・・・


SSRIに関しては思い出すのは、旧藤沢薬品(現在のアステラス)MRの態度は今でも忘れない。SSRIの重大な副作用:異常出血増加 2004年 11月 26日

利尿剤 スピロノラクトンが消化性潰瘍や出血と関連?2006年 07月 26日なども、多数の検討で初めて明らかになるような副事象

by internalmedicine | 2009-12-15 10:28 | 精神・認知  

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