幼少時期IQ・教育の死亡率への影響

”people with longer education live longer.”・・・の説明を、小児期の状況に求める話で、スウェーデン、Malmの65年間の長軸研究


今までの事実として
・事実として、インテリジェンスと社会経済的状況が疾患と関連しており、IQと社会経済状況の関連が見られる。
・IQが、社会経済的健康格差の本質的な説明要素であるか否か、年少期の社会経済状況が若年時のIQのさにより健康状態の格差の説明要素となり得るか否か、どの仮説も正しくないかどうかという議論が存在


この報告で
・成人期の教育レベルによる死亡率格差は子供時代のIQでは説明できない
・男性の子供のときのIQの死亡率格差は、子供自体の社会的地位により説明不能で、教育達成レベルでも説明不能
・自己教育レベル補正時、60歳以上の女性の平均以上IQでは、死亡率リスクがそれ以下より高い



自己の教育達成率は初期IQにより説明されない。小児期IQは独立してリンクされ、異なる働きをして、男性成人死亡率、女性成人死亡率に独立して関連した。これは、父親の教育や自己の教育達成補正後も維持。
社会的バックグラウンドや自己の社会的キャリアは、小児期IQによる死亡率の差異の説明にならないようである。
IQの影響の男女差は、IQと死亡率の関連が、単純に、人生開始時の健康状態のマーカーというより社会・身体環境に影響を与える。認知機能技量は健康増進のため子供の環境を形成するよう努力しなければならない。


子供・若年期のインテリジェンスは合併症・死亡率と関連することが示されている。この関連は、疾患数・疾患現任で認められる。さらに、インテリジェンスと健康の関連は、IQ分布横断的に認められる。IQと健康の関係は2つの理由で重要であり、ひとつは社会経済的格差の健康への影響のチャレンジ・理解のために必要であり、もうひとつは、早期インテリジェンスと健康が認知機能がその後の健康増進への努力を行う上で重要という根幹的意義で大事だろう。

”Fundamental cause of social class inequalities in health"

IQが健康への影響を与えるなら、IAの性健康も不平等で、Casselの提唱する”general susceptibility” theory、すなわち、抵抗性の弱まり、ネガティブな心理社会的要素のあるところで、Marmotの言う”status syndrome"なるものが社会全般のスペクトラムの段階化による社会環境に健康そのものが関連するということとになる。


"IQ hypothesis"は、インテリジェンスがたかければ、健康行動やリスク回避行動を取りやすいから、合併症・死亡率減少につながりやすいはず・・・

他の研究ストランドによれば、社会経済的状況が早期・後年のIQ間の関連の説明となりえ、社会経済的ばらつきがむしろ健康に与えるという説明になる。

2つの競合仮説
1)早期IQが、死亡率への社会経済的相違の主な説明要素となる
2) 子供・成人期の社会経済的状況が早期IQと関連した死亡率相違の説明要素である



Christmas 2009: Young and old
The association of early IQ and education with mortality: 65 year longitudinal study in Malmö, Sweden

BMJ 2009;339:b5282, doi: 10.1136/bmj.b5282 (Published 11 December 2009)


自己教育達成度は、両性とも、全原因死亡率と、ネガティブな相関で、幼年期IQ、父の教育レベル補正でも相関残存。
幼年時IQは、男性の死亡率リスク減少と相関し、それは教育達成度や父の教育補正後も同様

逆に、女性では、幼年期IQの粗データの影響はなく、自己教育レベル補正すると平均IQより上の女性は死亡率リスクが増加、しかし、60歳以上後のみの傾向であった。

社会的キャリアや、教育達成度を加えると、IQを超える女性で、ハザード比に境界域の影響があった。

by internalmedicine | 2009-12-18 17:02 | 医学  

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