意識障害患者の随意的脳活動:植物状態などとされている患者に意識的脳活動可能な患者がいる

重度脳障害を有しながら生存し、ベッドサイドで”Minimally Conscious State”や植物状態などとされている患者のうち、実は、質問に「はい・いいえ」と脳内で反応を示す患者がいる可能性が示された。fMRIを用いた方法であり、意識障害患者に対する評価に大きな変化をもたらすだろう。

Willful Modulation of Brain Activity in Disorders of Consciousness
www.nejm.org February 3, 2010 (10.1056/NEJMoa0905370)
【序文】意識障害状態の鑑別診断は未だ途上。
誤診率は約40%で、ベッドサイド施行できる新しい方法が必要。
特に、覚醒的行動的兆候があるがそれを示す能力が減少しているだけか、それを判断できるメソッドの確立重要。

【方法】イギリス・Cambridge、ベルギー Liegeという2つの大きなreferral centerで、54名の意識障害疾患54名の患者で、fMRIにて、2つの確立しているmental - imagery task中の、willful, neuroanatomically specific, blood-oxygenation-level–dependent responses 形成能力評価を行った。
そのtaskは、「はい・いいえ」の答えで行われるよう開発されているテクニック。

【結果】被験者54名のうち、5名が脳活動性を意図的に調整できる能力があった。このうち、3名での追加ベッドサイドテストで、覚醒の兆候が認められた2名では、自発的行動が臨床的評価で認められなかったのである。
一人には、fMRI中の「はい・いいえ」応答能力があった。
しかし、ベッドサイドでのコミュニケーション確立法は不能のまま。

【結論】植物状態あるいは、意識レベルがきわめて低い患者のごく少数で、覚醒や認知を反映する脳の活動性を有していることが判明。
注意深い臨床的検査により、特定の患者で、意識状態の再分類をもたらすだろう。
このテクニックは、反応無しに見える患者とのベーシックなコミュニケーション確立に有効な方法といえる。




by internalmedicine | 2010-02-04 08:46 | 精神・認知  

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