吸入ステロイドのCOPD急性増悪予防効果は軽度

COPD急性増悪予防のための吸入ステロイドのベネフィットは軽度、そのベネフィットは、メタ回帰解析ではベースラインの肺機能レベルに関係せず、予防効果は過剰表現の可能性がある・・・とのこと

Inhaled Corticosteroids vs Placebo for Preventing COPD Exacerbations
A Systematic Review and Metaregression of Randomized Controlled Trials
CHEST February 2010 vol. 137 no. 2 318-325
8164名の対象を含む11研究で、ICS使用は急性増悪発生減少と関連(RR, 0.82; 95% CI, 0.73-0.92)

有意な統計的hetergeneityを認めるが、出版バイアスの証拠無し

感度解析にて、FEV1<50の患者のみICSのベネフィットが認められた (RR, 0.79; 95% CI, 0.69-0.89) が、統計学的にheterogeneityが存在した。
メタ回帰にて、急性増悪リスク減少比は、COPD重症度にかかわらず不変(assessed by FEV1)


COPD急性増悪が2割減れば良さそうなものだが・・・

抗コリン剤は、重症急性悪化減少に対して3割強(RR 0.67, 信頼区間[CI] 0.53 to 0.86)、呼吸不全死(RR 0.27, CI 0.09-0.81)(J Gen Intern Med. 2006 Oct;21(10):1011-9.)・・・より、重症のアウトカム改善効果が見られているから・・・確かに・・・軽度といえば軽度だが・・・

by internalmedicine | 2010-02-08 09:57 | 呼吸器系  

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