タモキシフェンと、パキシル併用は併用比率増加とともに死亡リスク増加

Tamoxifen治療中のparoxetine使用は、乳がん死亡リスクを増加させる。paroxetineが乳癌女性のtamoxifenベネフィットを減弱させるという仮説を支持する報告。

現時点では、パキシル (Paxil):paroxetineと、MAO阻害剤、チオリダジン(メレリル)、ピモジドオーラップは併用禁忌だが、タモキシフェンは併用注意のみ(http://glaxosmithkline.co.jp/medical/medicine/item/paxil_tab10/paxil_tab10.pdf)

Tamoxifenは肝cytochrome P450酵素系代謝により活性化代謝産物 4-hydroxytamoxifen と 4-hydroxy-N-desmethyltamoxifen (endoxifen)。両代謝産物は、エストロゲン受容体への親和性が、親物質の100倍である。
一方、endoxifenは4-hydroxytamoxifenの数倍の濃度であるためもっとも重要な代謝産物であると考えられる。tamoxifenからendoxifenへの変換は、CYP2D6で主にcatabolizeされ、機能減少変異がendoxifen濃度に関わることが示されていた。乳がん再発リスク、tamoxifen治療中の再発までの期間短縮などとの関連が取り沙汰されるという報告もあった。



Selective serotonin reuptake inhibitors and breast cancer mortality in women receiving tamoxifen: a population based cohort study
Catherine M Kelly, David N Juurlink, Tara Gomes, Minh Duong-Hua, Kathleen I Pritchard, Peter C Austin, Lawrence F Paszat
BMJ 2010;340:c693 (Published )






住民ベースのコホート研究

tamoxifen+SSRI単剤使用 2430名のうち、374(15.4%)がフォローアップ期間平均2.38年、SD 2.59年で 乳がん死亡

年齢、tamoxifen治療期間、他の寄与因子補正後、paroxetine使用オーバーラップのtamoxifen期間に比率25%,50%,75%増加は、乳がん死亡リスクを24%、54%、91%増加させた (P<0.05)。一方、他の抗うつ薬ではそういうリスクは見られない。

tamoxifen 41%治療に対するparoxetine使用は、5年で19.7名 (95% 信頼区間 12.5 ~ 46.3)に1名の乳がんリスクを付加する事となり、併用比率が多いほど、影響が大となる

抗うつ薬として使用する場合でも、他SSRIを忌避して、あえて、パキシルを併用する必要は普通ないだろう。

by internalmedicine | 2010-02-12 10:05 | がん  

<< テレビドラマはニュース報道より... 厚労省謹呈・輸入および国内産ワ... >>