2004年 11月 10日 ( 3 )

 

インフラマトリー症候群と痴呆

インフラマトリー症候群ともいうべき・・・という話がありましたが、これと痴呆の話

The Metabolic Syndrome, Inflammation, and Risk of Cognitive Decline
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/18/2237
JAMA. 2004;292:2237-2242.
代謝症候群と心血管疾患の関連に関するレポートがいくつかなされている。心血管リスクが認知障害や痴呆のリスクを増加させることへの認識の増加にかかわらず、代謝症候群と認知障害との関係のデータは少ない。
【デザイン】5年の前向き研究(1997年-2002年、2カ所の地域クリニック)
【対象者】2632名の黒人・白人老人(平均74歳)
【主な測定】代謝症候群(National Cholesterol Education Program guidelinesによる測定)と高度炎症(IL6高値、CRP高値で定義)
認知障害:Modified Mini-Mental State Examination [3MS])の3年、5年測定
認知障害を少なくとも5ポイントの減少と定義
【結果】
代謝症候群なし(n=1616と比較して、代謝症候群(n=1016)では認知障害が多い(26% vs 21%, 多変量補正RR 1.20; 95% confidence interval [CI], 1.02-1.41)
認知機能障害において、炎症と代謝症候群との有意な相互関係があり(P=.03)
炎症の層別化後、代謝症候群と高度炎症群(n=348)は代謝症候群なしに比べ有意に認知気脳症があり(多変量補正RR 1.66; 95% CI, 1.19-2.32)
代謝症候群+低炎症群(n=688)では障害の尤度増加認められず (多変量補正RR 1.08; 95% CI, 0.89-1.30)
層別化多変量ランダム効果モデルでは、代謝症候群+高度炎症群では、代謝症候群なしに比べ、4年間の3MS評価認知機能が多く低下する(P = .04) 、代謝症候群+低炎症群は有意ではない(P=.44)
【結論】
代謝症候群は老人の認知機能障害に寄与する仮説を支持するが、炎症が高度な場合のみとなる。

by internalmedicine | 2004-11-10 12:41 | 動脈硬化/循環器  

糖尿病・高血圧合併患者でアーチストは代謝系に安全(ロプレソールと比較)

糖尿病・高血圧合併患者で、metoprolol(ロプレソール、セロケン)とcarvedilol(アーチスト)とを比較したら、代謝系への影響はアーチストが良好だったとのことです。

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Metabolic Effects of Carvedilol vs Metoprolol in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus and Hypertension
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2004;292:2227-2236.
β遮断剤は高血圧・糖尿病患者で心血管リスクを減少することが示されているが、代謝症候群はβ遮断剤のなかに悪化を示すことがしられれている。
レニンアンジオテンシン系(RAS)遮断剤投与を受けているβ遮断剤の糖尿病・高血圧患者への薬理学的特性の血糖・代謝コントロールへの影響を比較
【デザイン】ランダム化二重盲験平行群トライアル (The Glycemic Effects in Diabetes Mellitus: Carvedilol-Metoprolol Comparison in Hypertensives [GEMINI]):2001年6月1日-2004年4月6日、205USサイトで検討。1235名36-85歳の高血圧(>130/80 mmHg)・糖尿病(HbA1c 6.5-8.5%)でRAS遮断剤投与中。35週間フォロー
【介入】
6.25-25mgの投与量(n=498)、50-200mgの投与量(n=737)それぞれ1日2回
高圧目標達成のためopen-labelのhydroclorothiazideとDHP系拮抗剤を必要なら投与
【結果】2群ではHbA1cの平均値が異なるThe 2 groups differed in mean change in HbA1c from baseline (0.13%; 95% confidence interval [CI], –0.22% to –0.04%; P = .004; modified intention-to-treat analysis).
平均HbA1c増加は、metoprololで増加 (0.15% [0.04%]; P<.001)、carvedilolで減少carvedilol (0.02% [0.04%]; P = .65)
インスリン感受性はcarvedilolで改善(–9.1%; P = .004)、metoprololでは改善せず(–2.0%; P = .48); 両群差 –7.2% (95% CI, –13.8% to –0.2%; P = .004).
血圧は両群同様
微量アルブミンの進行はmetoprololoよりcarvedilolで少ない(6.4% vs 10.3%; odds ratio, 0.60; 95% CI, 0.36-0.97; P = .04).
【結論】β遮断剤は両者とも耐用性は良好
糖尿病+高血圧患者では、RAS遮断下のcarvedilolは糖尿病コントロールに影響を与えず、metoprololと比較して代謝症候群のいくつかの改善をみた
2つのβ遮断剤の効果は長期比較の必要がある。

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β‐遮断剤は流れがわるいような・・・・でも、確かにcarvedilolは心不全の治療で手応えがあるごとく別格という気がします。


90前の老人に左室駆出28%→48%という劇的改善も経験しておりまして・・・これで比較的安心してつかえるかなぁと・・・

by internalmedicine | 2004-11-10 12:19 | 動脈硬化/循環器  

正常血圧の冠動脈疾患患者でもアムロジピンは心血管イベント抑制効果あり

正常血圧の冠動脈疾患患者では、安定期ACE阻害剤の臨床的価値が認められなかった(http://intmed.exblog.jp/m2004-11-01#1285490)とのことですが、amlodipineでは心血管イベント抑制効果があるそうです。

冠動脈疾患あり・正常血圧患者への降圧剤の心血管イベントへの影響
Effect of Antihypertensive Agents on Cardiovascular Events in Patients With Coronary Disease and Normal Blood Pressure
The CAMELOT Study: A Randomized Controlled Trial
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/18/2217
【結果】
ベースラインの血圧:平均129/78mmHg
プラセボ群で0.7/0.6mmHg増加し、amlodipine・enalapril群で4.9/2.4mmHg減少(P<.001 for both vs placebo)

心血管イベント
プラセボ:151例(23.1%)
amlodipine:110(16.6%):HR 0.69, 95% CI 0.54-0.88 [P = .003])
enalapril:136(20.2%):HR 0.85, 95% CI 0.67-1.07 [P = .16]

enalapril vs amlodipineのプライマリエンドポイントの比較は有意でない(HR, 0.81; 95% CI, 0.63-1.04 [P = .10])

IVUS substudyはamlodipine vs プラセボの動脈硬化進展抑制傾向検討では、平均より収縮期血圧低下群では進展抑制(P = .02)
ベースラインとの比較では、IVUSはプラセボ群では進展有り(P<.001)、enalapril群では進展傾向 (P = .08)、amlodipine群では進展認めず (P = .31)
amlodipine群では、血圧減少と進展は相関はr = 0.19, P = .07
【結論】CAD有り・正常血圧にamlodipine投与した場合、心血管イベントを減少させる。
Enalaprilは同じような傾向があるが、有意差無く、程度が少ない。
IVUSにて動脈硬化進展を低下させる傾向にある。

by internalmedicine | 2004-11-10 12:05 | 動脈硬化/循環器