2004年 11月 17日 ( 3 )

 

オキシメトリーとALS患者の気管切開適応

ALS患者の気管切開適応考察したところ、喉頭機能が重要であり、カフマシーンの重要性が示唆されました。

Oximetry and Indications for Tracheotomy for Amyotrophic Lateral Sclerosis
http://www.chestjournal.org/cgi/content/abstract/126/5/1502
Chest. 2004;126:1502-1507.
夜間低換気症状がある患者にNIVを処方、cough peak flow <300L/minの補助を行う場合はオキシメーターを処方し、MAC“カフマシーン”にてベースラインの酸素飽和度低下(<95%)を予防し対策を行う。
NIV+MACの組み合わせで正常化できるベースラインの酸素飽和度の減少数や正常化時間を記録。急性呼吸不全や気管切開・死亡を記録

NIVやMACで補正できない低酸素飽和度が2ヶ月で高まる場合、気管切開や死亡が多くなる。NIV+MACの長期使用、気管切開の回避は吸気・呼気筋力というより喉頭の機能に依存する。
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日本の呼吸器科医は神経筋疾患を見ることが少ないのですが、諸外国ではむしろ呼吸機械が重症筋無力症を含め神経筋疾患は呼吸器科のお仕事ですので興味を持っております。
日本で、脊損や神経筋疾患患者に、NIVやMACが果たして普及しているか?

“呼吸障害に対しては、鼻マスクによる非侵襲的な呼吸補助と気管切開による侵襲的な呼吸補助がある。”
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/021_i.htm
とのみ書かれているところを見ると・・・いささか疑問

咳嗽反射・喉頭機能の温存がいかに重要かを再評価する必要がありますね。

<MAC:カフマシーン>
イン-エクサフレーター=In-Exsufflator、別名カフマシーン=cough machine
ニューモデルのカフアシスト=cough assist;JH Emerson Co.社製;Mass州Cambridgee.g.
http://www.jhemerson.com/coughassist.htm


酸素分圧・炭酸ガス分圧だけをみるな、ということが、教訓でしょうか?


COPDでもるいしょう状態がひどく、咳嗽困難な事例もあります。日本の特異とするACE阻害剤誘発咳嗽は有効ではないのかとも・・・

by internalmedicine | 2004-11-17 16:10 | 呼吸器系  

高血圧治療中左室肥大を考慮すべし・・・血圧値と独立して重要

左室肥大というのは、高血圧治療中意外に評価されないもの、その上、保険診療ではなぜか高血圧治療中に心電図が査定されたりします。ニチイ学館の連中が、医療機関のチェックで削り、保険者が投げた先で削り・・・結局、高血圧治療中に心電図を認めないことがdefaultとなり・・・これは医者の不正請求だとマスコミが騒ぎ立て、それを利用して行政・政府の医者いじめ(“医師会”という名前が出ると条件反射的に、“悪者”ときめつける現状)・・・それで医療行政の弊害のスケープゴートできあがり・・・>外資保険会社・財界関係の会社の利益確保



高血圧治療に関して、左室肥大というのはかなり重要な要因ということが、より明確になりました。

  ↓

LIFE study(Losartan Intervention For Endpoint Reduction in Hypertension:日本語説明はここ)、高血圧・左室肥大(LVH)をランダムにlosartanとatenololに振り分け、LVH改善が心リスクを軽減したかみたもの。


4.8年の平均フォローアップ後、LIFE研究者は高血圧治療がLVH減少(心電図、エコー検査)と関連し、心血管合併症・死亡率減少と相関することが見いだされた。


Regression of Electrocardiographic Left Ventricular Hypertrophy During Antihypertensive Treatment and the Prediction of Major Cardiovascular Events
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/292/19/2343
JAMA. 2004;292:2343-2349.

1995-2001年の9193男女(55歳ー80歳:平均67歳)、心電図上LVH(Cornell voltage-duration product or Sokolow-Lyon voltage criteria)

【結果】心血管死亡、非致死的MI、卒中が1096名(11.9%)に生じた。
Cox回帰モデルで、補正( controlling for treatment type, baseline Framingham risk score)後
Cornel productとSokolow-lyon voltageによる評価によるLVH軽症-重症度は、CVエンドポイントを14%(0.82-0.90)、17%低下(0.78-0.88)

平行解析で、Cornell productとSokolow-Lyon voltageはそれぞれ独立して
・CV死亡率低下に相関(HR, 0.78; 95% CI, 0.73-0.83; P<.001; and HR, 0.80; 95% CI, 0.73-0.87; P<.001, respectively)
・心筋梗塞 (HR, 0.90; 95% CI, 0.82-0.98; P=.01; HR, 0.90; 95% CI, 0.81-1.00; P = .04)
・卒中 (HR, 0.90; 95% CI, 0.84-0.96; P=.002; HR, 0.81; 95% CI, 0.75-0.89; P<.001)

【結論】心電図上のLVH軽症-重症度は、降圧治療中のLVHクライテリアは、血圧の低下作用、本態性高血圧症の治療modalityと独立してCV合併症・死亡率の尤度と相関。
降圧治療は心電図上のLVH予防をターゲットにすると予後が改善する



Prognostic Significance of Left Ventricular Mass Change During Treatment of Hypertension
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/292/19/2350
JAMA. 2004;292:2350-2356.
【結果】Cox回帰多変量解析で、LV mass indexとcomposite CV end point率の減少は相関 (HR 0.78 per 1-SD (25.3) LV mass index減少; 95% CI 0.65-0.94; P = .009)し、血圧減少予測以上のものであった。
治療中LV mass indexとCV死亡率 (HR, 0.62; 95% CI, 0.47-0.82; P = .001)、卒中(HR, 0.76; 95% CI, 0.60-0.96; P = .02)、心筋梗塞(HR, 0.85; 95% CI, 0.62-1.17, P = .33)、全原因死亡率(HR, 0.72; 95% CI, 0.59-0.88, P = .002)は、収縮期血圧・割り当てられた治療プロトコールに独立しての平行して相関

【結論】本態性高血圧・心電図上LV肥厚ある患者では、降圧治療中のLV massの低下は臨床的エンドポイントの発生率低下と相関し、血圧低下および治療モダリティーの付加的効果がある。


以下整理::::::::::::::::::::::::::
<LIFEのLVHクライテリア>
Cornell voltage duration product > 2440 mm sec
Sokolow-Lyon > 38 mm

<Cornell voltage-duration product>
the product of QRS duration (in msec) and Cornell voltage (the sum of R wave in AVL plus S wave in V3 with adjustment of 8 mm in women)
参考

すなわち:QRS幅(in msec)×Cornel voltage(R(aVL)+S(V3):女性では8mm補正)

記載の説明とは若干異なるようです。

Cornell product [(RaVL+SV3) × QRS](http://www.lifescience.jp/ebm/sa/2001/0104/index4.html

オリジナル:・http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=1401620&dopt=Abstract
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=7829796&dopt=Abstract



<Sokolow-Lyon voltage criteria>
SV1 + RV5 OR RV6 (whichever is taller) > 35 mm (age >35)
http://medicine.ucsf.edu/housestaff/ecg/lvh.html
となっているようですが、単にSV1+RV5 or RV6(より高い方)ということで良いのかも


その後も補正がなされたようです。
Cornell voltage adjustment was reduced to 6 mm in women, and Sokolow-Lyon voltage of greater than 38 mm was accepted as an alternative measure of the presence of LVH)


#いづれにせよ、心電図買い直したばかりのなのでこの Cornell voltage-duration productがださせるよう交渉してみよう・・・っと

by internalmedicine | 2004-11-17 11:45 | 動脈硬化/循環器  

高用量ビタミンEは寿命を短くする 続編

ビタミンE続編(前編:http://intmed.exblog.jp/m2004-11-01#1298166

Annals of Internal Medicineに論評がでました。
歴史的な流れと、現行の健康食品メーカーの情報ミスリーディング・それを支える科学者・医療専門家(顔をみたければ、あるある や みのもんた のテレビで 面々の顔を拝見できます)・・・

最近は一流メーカー(薬品、アルコール、電気、車・・・)が収益のためか、その社会的信頼性を犠牲にして(と、私にはみえるのですが)、Quackをおこなっている・・・世知辛い現状です。バブル期に製造業じゃなく、マネーゲームに走ったあの現象と重なるおもいが私にはします。
(ref 松下電器:http://intmed.exblog.jp/m2004-11-01#1321340


ビタミンEサプリメント:理論的に正しい、しかしその理論は正しい?
Vitamin E Supplements: Good in Theory, but Is the Theory Good?
http://www.acponline.org/journals/annals/vit_e.htm
Release date: 16 November 2004
ビタミンEの民間信仰、一般的に抗酸化作用は科学者・医療専門家の外的な抗酸化物質が慢性疾患を予防するという考えに基づいたものである。
最初にビタミンEサプリメントが癌予防効果が無く、心血管疾患を予防するという影響がないと論文発表されてから10年経過経過して折り、次から次とでるトライアルもその結果を支持するものであった。
βカロチン、ビタミンCなどのような他の抗酸化物質も同様なことが推定される。
各種トライアルの結果と逆に、食事や・サプリメントの消費が疾患予防に役立つという記載は少なくなるどころか多くなっているように思える。
やりくちは、トライアルの第一目標点(プライマリ・エンドポイント)が全く無意味にもかかわらず、サブグループ解析や、第2目標点(セカンダリ・エンドポイント)の結果を都合良く抽出し得いるように思える。
ベータカロチンは、きわめて強い抗酸化作用という点からまず考慮されたが、むしろ、有害であった。しかし、その結果が特定状況下の前オキシダント作用と説明して言い逃れした。
N Engl J Med. 1994 Apr 14;330(15):1029-35.
N Engl J Med. 1996 May 2;334(18):1150-5.

2004年National Institutes of Health基金データベースで、700以上の“抗酸化”という言葉がヒットする。多くは、基礎的なものであり、ビタミンEサプリメントは400-2000IU/dのものであった。痴呆、心疾患、前立腺癌・・・
これらのプロジェクトは強固なpeer reviewを合格してきているものであり、いずれも科学的メリットを認めることに疑問を呈することはできない・・・のだが・・・

by internalmedicine | 2004-11-17 10:19 | Quack