2005年 02月 10日 ( 2 )

 

CME(Commercial Support and Continuing Medical Education)

医学教育における商用的サポート・継続サービスとでも訳しましょうか、CME(Commercial Support and Continuing Medical Education)は1998年から2003年に3倍となってます。

$302million→$971million
http://content.nejm.org/cgi/content/short/352/6/534?query=TOC
という情報がNEJMにかかれています。

ベーコクの話ですが、日本でも、次第にインターネット・ウェブ/メール情報など積極的なCME活動がなされつつあります。


バーチャルなMR活動ということで唯一と思われるサイトが、公表範囲を事前に知らせず、クローズドな場所でしか公表されないであろうと誤解を与えたまま、公表し、
http://www.so-netm3.co.jp/press20050201.html・・・統計学や推計学からも、経営面からもとてもじゃないけど科学的でない公表がなされ、
「 この結果、一部のマスコミで「医師の高報酬」に力点をおいた報道がなされました。当社の意図とは異なりますが、従来のマスコミの報道から弊社のリリースがこのような取り上げられ方をされることは十分予見できたものであり、当社の責を免れるものではありません。」という謝罪はなされましたが、わだかまりがのこるものです。
(開業医などは個人事業主であり、サラリーマンと単純比較できないし、勤務医においても労働時間拘束時間や勤務内容の比較がなされてないし、もともと自己申告でありバイアスがかなりかかっているわけです。仲間内の、お遊びと考えてた回答者も多いはず・・)


もっとも悪質と私がおもうアンケートは、医薬品使用に関する、500円程度の図書券程度で、真剣に書こうとすると数十時間かかるであろうアンケートをアンケートを送りつけ、それを医薬品会社に売っている会社です。他にも、自己負担で加入している医療系CSプログラム(故にCMEではない!)の会社は、頻回にメールでアンケート調査を申し込んできます。内容は医療面だけでなく、経営的なことを聞き取ろうとするものが多く含まれます。純粋に学術的に使用するものもあるようですが、公表範囲など明示されてないものが多く、非常に問題が多いと思われます。



話を元に戻すと、CME(Commercial Support and Continuing Medical Education)という形で、純粋に医学の知識を得たいと思っている医師たちの向学心を利用して、利己的な経営の部分に利用していることが気になります。利用者も、この辺の割り切りが必要なのでしょう。是々非々で利用しなければならない。
参照:http://www.so-netm3.co.jp/ir/fnc/20041026_03.pdf



ただほど高いものはない・・・







今日も、ガイドラインの山にうづもれて診療をしなければならない・・・・

しかも、“ガイドラインは90%以上正確性を保てるのは、3.6 年(95% CI, 2.6-4.6 年). ”
JAMA. 2001 Sep 26;286(12):1461-7.
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by internalmedicine | 2005-02-10 16:31 | 医学  

傷心症候群? 新しい疾患概念

“Broken Heart Syndrome”となづけられた 
まさに、"broken heart"は“失意{しつい}、失恋{しつれん}、絶望{ぜつぼう}”と訳されているようですが、心臓の壊れた状態をも作るということです。

“高齢者は孤独を感じたとき“抑うつ”は致死的となるのか?”
http://intmed.exblog.jp/1511882/
の一つの原因を形成している可能性がありますね。

配偶者を失ったときのその後の予後の悪さは経験いたしますし、こういう論文は多数存在します。

Journal of Epidemiology and Community Health, Vol 50, 264-268
http://jech.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/50/3/264



高齢者女性に多い、新しい疾患概念の可能性を2つのmajor journal:NEJMとCircultionで前後して報告されております。
故に、ブロークン・ハート→失恋・・・というと若いかたとおもいきや、比較的高齢の女性に関する病態です。そういうことで勘違いされる方も多いかも・・・

Acute and Reversible Cardiomyopathy Provoked by Stress in Women From the United States
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/111/4/472
Circulation. 2005;111:472-479.
方法と結果:
32ヶ月に及ぶ研究、Minneapolis-St. Paul , Minn, areaのコミュニティー・ベース内で同定されたnovel cardiomyopathyである22名連続患者の前向き研究
患者全員は女性で32-89歳(平均65±13歳)、21例96%は65歳以上
この症候群の特徴は
(1) ST上昇and/or T波の陰転化を伴う急性の胸骨下胸痛
(2) 血管造影にて有意な冠動脈が存在しない
(3)収縮機能障害(EF 29±9%)、軽度の壁運動異常やdistal LV、すなわち“apical balloning”
(4) profound psychological stress (親戚の死亡、家庭内虐待、最悪な診断結果、壊滅的な経済状態・ギャンブルの損失)が、心臓イベントの直前に存在、あるいは引き金となっている

37%が血行動態的に問題を有し、昇圧剤やIABPが必要。
正常のEF(63±6%; P<0.001) で生存し、急激に改善(6±3日)
95%でMRIで、multipleな冠動脈血管領域にびまん性の壁運動異常を指摘

結論:老年期女性のおいて、心理学的なストレスフルなイベントが可逆性の心筋症を生じ、それは、心筋梗塞や急性冠動脈症候群に類似。
この状態は、遠位左室腔への影響が主である収縮機能障害として、"distinctive form"として特徴づけられ、適切な治療で予後良好。




突然のemotional distress(情的な苦悩)、不意な死亡などによって、一過性の重症の左室機能障害を生じる。このストレス誘発性心筋障害は、激しい交感神経の刺激による、一種の心筋のstunning(気絶)による一病型と思われる。


Neurohumoral Features of Myocardial Stunning Due to Sudden Emotional Stress
NEJM Volume 352:539-548 February 10, 2005 Number 6
http://content.nejm.org/cgi/content/short/352/6/539
背景:emotional stressによる可逆性の左室機能障害が報告され、そのメカニズムは不明のまま
方法:19名の突然のemotional stress後の左室機能障害の患者を評価。冠動脈造影や一連の心電図など施行された。5名が心筋生検。血中のカテコラミン値で、stress関連心筋機能障害の患者をKillip 分類IIIの心筋梗塞の7名の患者と比較した。
結果:stress起因性心筋症(cardiomyopathy)は中央値65歳で、95%が女性。臨床症状は胸痛、肺うっ血、心原性ショックを含むものであった。
びまん性のT波陰転化、QT延長が多くの患者でみられた。17名は軽度トロポニンI値の増加だが、19例中1例のみ血管造影上の冠動脈疾患のエビデンス。
重症の左室機能障害が入院時みられ(EF中央値: 0.20 中間4分位 0.15-0.30)で、急激に全患者改善(2-4週のEF 0.60 中央4分位 0.55-0.65 P<0.001)
心内膜生検で、単核球浸潤とcontraction-band necrosis(収縮帯壊死)がみられた。

有症状時
・血中カテコラミン値はKillip分類III心筋梗塞より顕著に高い(エピネフリン中央値 1264 pg/ml [4分位 916 - 1374] vs. 376 pg/ml [4分位 275 to 476]
・norepinephrine level, 2284 pg/ml [4分位 1709 - 2910] vs. 1100 pg/ml [4分位 914 to 1320]
・dopamine level, 111 pg/ml [4分位 106 - 146] vs. 61 pg/ml [4分位 46 - 77]; P<0.005 for all comparisons).

【結論】emotional stressは冠動脈疾患のない重症、可逆性の左室機能障害と関連しうる。交感神経過剰刺激がこの症候群の中心的な役割であろう。


discussionには、交感神経刺激とstunningの関係のメカニズムについて未だ不明と言及されてます。一つの可能性として、epicardial coronary arterial spasm、microvascular spasm、cathecolamine-mdiated myocardial stunning(ダイレクトな心筋障害)が考察されてます。フリーラジカルを介したメカニズム・“フリーラジカルが、NaやCa transportと関連して、心筋細胞機能障害を生じる可能性”の言及がされてます。

このパラメーターをみると、メカニズムに関してもっと考察できそう

Table Plasma Catecholamine and Neuropeptide Level
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day1,2(a), day3-5(b),day7-9(c)

Catecholamine precursor (pg/ml)
Dlhydroxyphenylalanlne :a,b

Catecholamines (pg/ml)
Eplnephrlne :a,b
Noreplnephrlne :a,b
Dopamine :a

Neuronal metabolites (pg/ml)
Dihydroxyphenylglycol :a,b,c
Dlhydroxyphenylacetic acid :a,b

Extraneuronal metabolites (pg/ml)
Metanephrine :-
Normetanephrine :-

Peptides (pg/ml)
Neuropeptlde Y :a,b,c
Brain natrluretic peptlde :a

Serotonin and metabolite (pg/ml)
5-Hydroxytryptamine :a,b
5-Hydroxylndoleacetlc acid :-
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以上のごとく、ご紹介しましたがメーリングリストで、URLのご紹介とともに、”たこつぼ“型心筋症”ではないかと貴重なご指摘をいただきました。
貴重なご指摘感謝申し上げます(午後1:30追記)
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/matsuhi/case.11.html
http://ishamaru-hp.hp.infoseek.co.jp/medical_tips/circulation/TCM.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~tv4m-tkhs/KINOU12/12kinou.html
http://medical.radionikkei.jp/kyoketsu/050118/

臨床経験もありました・・・^^;。この論文と直結しませんで・・・・

by internalmedicine | 2005-02-10 09:39 | 動脈硬化/循環器